幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜 67
―――学園寮・アリスの部屋―――
シャーーー………
部屋にあるバスルームで、アリスは精液まみれになった体を洗っていた。
その横では一匹の色餓鬼が、やはり精液まみれになっていたアリスのネグリジェを手洗いしていた。
「それにしても‘ポーン’だから八匹でいいのに、ちょっと多すぎるわね」
まぁ、捨て駒は多いほうがいいけど………そう考えながら、アリスはバスルームを出て行く。
「さてと……」
これからアリスは学校行くわけだが、目の前の学生服を見て考える。
一昨日学園長の家を出た後、指定の学生服専門店に立ち寄り採寸してもらい、昨日の夕方に届いたものだ。
「これ、どうやって付けるんだろ?」
白いワンピース型のセーラー服に、ベルトとタイ。
以前見た珠美の記憶で他は分かるのだが、タイの締め方が良くわからなかった。
珠美も自分でなかなか締められず、よく祖父に締めてもらっていたようだ。
とりあえず下着にいつものキャミソールとドロワースを身に着ける。
制服の裾丈が膝上なので、ドロワースも今回は短いもの―――いわゆるカボチャパンツ―――にした。
そしてセーラーワンピとベルトも身に着けたが………
「うん…このっ……やっぱり上手く締められない……」
仕方なく、アリスは隣の部屋の涼子にタイの締め方を聞きにいくことにした。
―――学園寮・涼子の部屋―――
「はぁ……」
涼子はベッドの上で大きくため息をついた。
彼女もまた、眠っているときに淫夢をみたのだが………
「よりによって、アリスちゃんに弄ばれる夢みるなんて……」
寝る前にアリスのスケスケのネグリジェ姿を見、その後は窓から飛んでいく幻(現実だが)を見たのが原因だろう。
「あんな小さい子に、私……」
「欲情した?」
「もう、そんなわけ…」
ピタッ!
涼子の表情が固まる。
恐る恐る顔を横に向けると、そこには意地悪そうに微笑んでいるアリスの顔があった。
「あっ…あっ、あぁっ……」
(聞かれたっ! 何て言えばいいのっ! っていうか何時の間に?!)
混乱して言葉の出ない涼子に、アリスが四つん這いで覆いかぶさる。
「嬉しい、夢に出るくらい私のこと想っててくれたんだ」
「いや、そうじゃなくて」
狼狽する涼子を楽しげに見下ろしながら、アリスは顔を近づけていく。
「ねぇ涼子さん、コンビニで助けてもらった時から考えてた事があるんだけど」
「えっ?」
唐突に話が変わり、キョトンとする涼子。
ベッドの隣にある机に手を延ばしながら、涼子にアリスは相変わらず楽しそうな笑顔でこう言った。
「私の‘ナイト(騎士)’になって頂戴」
そして机からハサミをとり、思いっきり自分の左胸に突き立てた!