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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜 61

「え?だってこの喋り方はこの国の文化に合わせた喋り方ではないのですか?」
アリスは流暢な日本語で答えた。
「文化?」
「はい。この国の『萌え』で外国から来たらこう喋るのでしょ?」
「へ?」
「この格好も、私みたいな子供がすると『萌え』だそうですから頑張ってきてみました」
「アリスちゃんの日本文化って誤解で成り立ってるよ」
「そうなんですか?」
涼子は詳しく話そうとしたが寮母が回ってきたので部屋に戻った。
寮母が去っても部屋から出てくる様子はなかった。密輸酒が効いて寮母をやり過ごそうとしたドアの前で眠ってしまったのだ。
「ふぅ」
アリスは髪を束ねたリボンを解くと窓から顔を出して夜風に髪を揺らした。
「ふふふ。どこかでなにか面白いことが起きている匂いがするは」
 窓の下は裏庭になっており、寮に住んでいる者達が何か育てているのか、花壇とビニールハウスがある。
 そしてコンクリートの塀の先は、木々が鬱葱と茂る森となっていた。
「場所は……南東………行ってみたいけど、こっちも気になるわね」
 そう言って暗い森の一点を見つめる。
 塀の向こうの森を少し奥に入った場所から、微かながら妖気が感じられる。
 200年前この辺りで妖怪達の戦争があり、多くの妖怪達が封印されたのはアリスも知っている。
 この妖気も、今尚封印されている妖怪のものだろうか。
「それにしても、このパンティって好きになれないわね」
 紅夜叉と似たようなことをアリスが言う。
 今まで穿いていたドロワーズにはなかった、ゴムによる締め付けが窮屈に感じられるらしい。
 今の時代に合わせて穿いてはいたが、他に人もいないのでアリスはパンティを脱ぐことにした。
 
 ギンッ!
 
「?!」
 パンティを脱いでまた窓際に戻ると、先程の妖気が少し強くなった。
「もしかして……」
 試しにネグリジェの裾を捲くり上げ、窓の外に白い裸身を晒す。
 するとまた妖気が強くなり、ネットリとした視線がアリスに絡みついた。
「へぇ……どうやら私が欲しい見たいね」
 妖艶な笑みを浮かべ、窓枠に手をかける。
「いいわ、待ってなさい。あなたが‘使える’ようだったら相手してあげる」
 そして、そのまま窓の外へと飛び出していった。
 

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