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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜 59

「へぇ〜え」
狂骨がものめずらしそうにラックに掛けられた拳銃に手を伸ばそうとするとその手を赤千穂が掴んで止めた止めた。
後ろでは阿蘇がホルスターに手をかけている。
店員は無線機を口元に寄せている。
(厄介ごとはお断りです)と無言のアピールだ。
「ちぇ〜っ」
 ふてくされた様にラックから離れる狂骨。
「あっ、あのー狂骨様……」
 恐る恐る、八侘が狂骨に話しかける。
「この人達とはどういう関係なのですか?」
 幸いと言うべきか、八侘と娼婦達は赤千穂達の名前は知っていても顔は知らなかった。
「あぁ、この人達は……」
 阿蘇が視線で『うまく誤魔化せ』と言っている。
「この人達は……『蒼木ヶ原・将棋倒し友の会』の仲間だ」
「ぶっ!」
(そんな誤魔化し方があるかっ!)
 阿蘇達は心の中で叫んだが………
「そうでしたか。相変わらず好きですねぇ、将棋倒し。
 200年前も本陣で、大将棋倒し大会やってましたけど」
 ………どうやら誤魔化せたようである。
 
「アンタ、戦中にそんなことしてたのかい?」
 そこにこの店の主人が入ってきた。
 やせ気味で背が高く、髪を金髪に染め、薄紫色の女物の着流し姿の………男だった。
 
 どう見ても、甘味屋というよりゲイバーのママである………
 
「急に押しかけてごめんなさい、せ…」
「ストーーーップ!!」
 赤千穂が店主の名前を言おうとすると、それを店主がさえぎる。
「いつも言ってるでしょ。アタシのことは、『セルジュ』って呼んで頂戴」
「そうでしたね、セルジュさん」
「それで良し。さて………」
 部屋にある安楽椅子に腰掛け一同を見渡す。
「今日は見慣れない顔と……」
 八侘達から紅夜叉のに視線を移すと少し目を細める。
「懐かしい顔があるわね…」
 んっ? 前に会ったっけ?………と紅夜叉が疑問を口にする前に、セルジュは本題に入る。
「それで、今日は何をお求めかしら?」
 そう聞きながら、セルジュはキセルを取り出した。
 
 

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