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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜 6

 ちょっと赤くなりながら、紅夜叉は褌も荷物掛けに引っ掛け、便座にお尻を乗せるのであった。
 
ヒーターもウォシュレットも無い古臭い冷えた便座
ただ何か起こるまで座っていると、身体が冷えてくる
「うう、何も起こらないではないか」
しかし、妖気は微かだが漂っている
ただの残り香のようなものかもしれない
「むぅぅ…」
紅夜叉の中に葛藤が生まれる
冷えて本当に用を足したくなってきたが、実際にしたときにコトが起こったら…
「ままよ!」
意を決して用を足す
最初はなかなか出なかったが、出始めると勢いついて止まらない
尿が便器に当たる音が寒いトイレに響きわたり、唯一の換気扇の音もかき消す
大量の尿に体温を持っていかれ紅夜叉はプルルと震える
「ふう…」
特に我慢していた訳ではないが、放尿後の開放感にしばし浸る
「何も起こらないじゃないか…。このままって訳に行かないよな」
いつもの動作でトイレットペーパーを手繰り寄せる
カラカラ…
ホルダーの音がトイレに響く
紅夜叉の手が止まる
自分の動くときの布が擦れる音
ホルダーの音
換気扇の音が聞こえなくなっている
コフゥー・コフゥー
(荒い息!?)
小さな音だが、確かに何処かから聞こえてくる
手繰った紙を握り締める
(上!?)
ばっと天井を見上げる
そこには埃がこびり付いた20センチ四方の小さな換気扇
人間の目なら明るい部屋から暗い換気口の中は見えないが、鬼である紅夜叉の目にはしっかり見えた
一瞬で引っ込んだが、何かを認識するにはそれで十分だった

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