エルドラ戦記 31
交通の結節でもあるため商業が栄えているのだ。
元が宿場町として出発しただけに、宿屋兼酒場や、食堂なども多い。
店の主人と値引き交渉する者、荷を届ける配達人、通る女を品定めする若い男、宿屋に出入りする冒険者風の一行。
そこでジェラがある店に目を留めた。
「ランジェリーショップまであるのか。珍しいな。」
「うわぁ、すごーい。」
ジェラとミモナが、珍しそうに見ている。
この世界ではランジェリーショップはまだまだ珍しい存在なのだ。それだけ下着の需要が薄いともいえる。
ジェラとミモナが興味津々といった顔で入っていくので、エルドラもついていくことにした。
彼も少年だが、大柄だが格好いい美女ジェラと、あと3年ほど発育待ちといった風情の眼鏡っ娘美少女ミモナと一緒なので店員もあえて追い払ったりはしない。
「へえ、いろいろあるな・・・・これなんか私にも合いそうだな。」
ブラの1つを手に、ジェラが言う。
「うわ、何これ?」
ミモナがショーツを手に驚いている。それはオープンクロッチ、つまり秘所の部分が開けられていて着用するとちょうど秘所がまる見えになるという代物だ。
「へえ、旅にも夜にも便利そうだな。」
と、ミモナにジェラが声をかけた。
「ひぇっ?」
赤くなってミモナが返事する。
ジェラは別のオープンクロッチショーツを手にしていた。
「これなら、オシッコの時でも脱ぐ手間が省けるからな。森でモンスターに奇襲されても、ショーツを穿き直したりショーツがひっからんで転ぶ危険も無いって訳だ。それに・・・・。」
意味ありげな表情でジェラはエルドラを見た。
ジェラとエルドラを見て、ジェラの言わんとしている事を悟ったミモナは、恥ずかしさで真っ赤になる。
「ふふ、そういう所は可愛いな。」
「ジェラさん!」
「まあまあ、落ち着いてよ。旅の途中では用を足すときも用心しないといけないんだから。」
ミモナは抗議の声を上げるが、エルドラが宥める。
ジェラはというと、いくつかのオープンクロッチショーツを手に、品定めしていた。
飾り気は薄いが、造りが丁寧ですっきりとしたデザインのものが中心で、ジェラのような格好いい女性が穿くと似合いそうだ。
もちろん、ジェラは普段は腰当で腰周りを護っているから、着用して街を歩いていても秘所を見られる心配は無い。
ミモナにしても、魔術師のローブを着ているから大丈夫だ。
「やっぱりジェラさん、センスいいね。」
選んでいたジェラにエルドラが言った。
「これと・・・あとこれと・・・・。」
ジェラは楽しげに選んでいる。
ミモナはふと値札を見たが、やや高い気はするもののお金は十分あるからまあなんとかなるだろう。