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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 254

「いえいえ、グランドリオン卿の武名はトゥルーズ以来鳴り響いています。それに比べれば私などは青二才ですよ。」
ティーエは明るい口調で切り返す。
「何を申されます。この度の作戦、青二才に手配できるものではありませんよ。」
「そう言っていただけるとありがたい。ところで、食事と飼料の手配は。」
「こちらに。城内にてすでに用意してあります。ただ、ドラゴンたちには肉ではなく果実で我慢してもらうことになります。」
城内には、ささやかながら宴席が設けてあった。
ただ、ドラゴンの飼育員はいないので(というより、まだ飼育専門のスタッフというものが出来てなく、飛竜騎士は自分のドラゴンは自分で飼育することが求められていた。)飛竜騎士たちはドラゴンにまず餌を与えて、それからの宴となった。
人間もドラゴンも、プレグナンスの実りに舌鼓を打っていた。
 
そして翌日。
間諜たちの報告を元に、作戦会議が開かれている。
参加者はステファン、ティーエ、ライズ、ジェンス・リューグ、フリーデブルク、飛竜騎兵戦隊の副隊長オットー・ミルズ大佐(後席魔術師、2番騎騎長)、
トルシアに潜入している間諜を監督する監督官であるフォリス、公王家の公女ということでゾフィーとマリアも列席を許されていた。
彼らの前にはプロアの地図が示されている。トルシア崩壊時に持ち出したものに、間諜によってもたらされた現状を書き加えたものだ。
口火を切ったのはライズだった。
「ファニーもアンナも総督府本館のそれぞれ別室に囚われていることがわかっている。ファニーはベルゼビュートがそばに置き、アンナは魔狼に「飼われて」いるらしい・・・。」
「防備はどのようになっているか、情報はありますでしょうか。」
フリーデブルクが質問した。
フォリスが答える。
「軍事拠点はトルシアの首都だったころのものを流用しているようです。兵力は合計で1万人近く。総督府とその周囲に多くが配置されていて、他にアントバ兵営とメルトス兵営が流用されています。アントバ兵営はほぼそのままのようですが、メルトス兵営についてはドラゴンライダーの基地としてかなり改造されている模様です。」
「ということは・・・・、やはり念のために持ってきた重誘導爆弾の出番のようですな。
ところで、夜間の地点把握になるような目印となるもの・・・商店街や歓楽街などでもよいですが・・・・そうしたものはありますか?」
このフリーデブルクの一言で、ライズは一瞬だけ悔しそうな表情になるがすぐにそれを消した。
「それは心配ない。トルシア首都時代以上にプロアの経済は繁栄し、その富を示すように商店街や歓楽街は夜遅くまで灯りが消えることは無い。」
「それなら、夜襲でも持ってきた重誘導爆弾の照準指示は可能ですね。総督府突入部隊の突入と同時に2つの兵営に重誘導滑空爆弾を叩きつけて混乱を狙いましょう。」

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