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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜 26

 狂骨は吸収した生き物の姿に変化できるという能力を持っていた。
 今変化したのは、目覚めてから最初に吸収した女性の姿であった。
「早いとこ、この女の恨みもはらしてやらんとなぁ………」
 この女性の死体は、封印されていた場所の近くの倉庫で狂骨が見つけた。
 男達に散々レイプされたあげく、首を絞められ殺されていたのだった。
 女の’死の瞬間の記憶’から犯人グループの顔は分かっているのだが、未だに見つけ出すことはできなかった。
 そこで狂骨は街中を歩くときはなるべくこの女性の姿をとることにした。
 そうすれば、自分たちが殺したはずの女の姿を見て、犯人達の方から何らかの接触をしてくるかもしれないと思ったのである。
 

「さて、服を調達せねば…」
狂骨は街外れにあるアパートを見つけると適当に干されていた服を物色した
女物の服には困らなかったが下着類は室内に干されていて手に入らなかった
水色のワンピースに白いガウンを羽織る
ベランダ用に置いてあったゴムサンダルを履くと再び街に向かった
「さて、どこにいるやら」
蒼木ヶ原市中央に向かう国道に出て歩き続ける
次第に人通りが増え、道は賑やかになってきた
「さて、見つからなかったら何をするかな?」
一人呟く狂骨の姿を携帯電話のカメラで撮影をし、送信する青年がいた
『コイツ似てネ?』
》『マヂ!?生きてた』
『な訳ねーだら』
》『びびらすなよ。殺すぞ?』
『つか、やっちまわね?ビビらされた仕返しに』》『イイネ、みんな呼ぶわ』
『じゃ、新しい場所で』
メールを終わらせると青年は携帯電話をしまい狂骨を尾行した
対象に気配をむき出しのままの尾行に狂骨は半ば呆れた
(人間でもここまで来ると程度が知れる
しかし、これは本命か雑魚か。さて)
狂骨は大通りを外れて人通りの少ない道を目指す
青年は相変わらず下手な尾行を続ける
やがて見通しは良いが人がいない通りに出ると青年は駆け寄る
狂骨は振り向くと、青年はどこかで拾った角材で殴り付けてきた
普通の人間の何かしら特別な力も込められていない打撃
狂骨は鼠に咬まれたほども感じなかったが僅かに血を垂らして気を失ったふりをした

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