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blood&witch
官能リレー小説 - ファンタジー系

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blood&witch 22


「さて、邪魔者がいなくなった所で話の続きをするとしようかのぅ」
なにもなかったかの様に、モーラスは壁の穴から家に戻っていった。それに四人が続く。

「改めて、自己紹介しようかの。わしがモーラスじゃ」
「私がフルル、こっちが……」
「ステイだ」
フルルに続いてステイが名を告げる。
「……フェイクだ。で、こっちがナリナ」
「……話は何だ?」
フェイクが指した指を叩きながら、頬杖をついたナリナが聞く。
「フェイクが元特等粛清官と知っている……。貴様らは何者だ?」
ナリナの問いにステイとフルルは視線を交わすと、二人共手袋を脱ぎその手の甲をナリナとフェイクに見せた。
「「!!」」
ナリナとフェイクは二人の手の甲を見て固まった。なぜならステイの左手の甲には赤い六芒星の入れ墨が、フルルの右手の甲には魔女の刻印がはっきり浮かび上がっていたのだから…。
「赤い六芒星…一等粛清官の中でも特等に近いとされる特攻部隊の証じゃねぇか……そうか…吸血鬼…だったのか…どうりで俺が元特等粛清官だって知ってる訳だ…」
「それよりもフルルの魔女の刻印は…貴様ら兄妹ではなかったのか?」
「確かに吸血鬼と魔女が兄妹ってまずありえないもんなぁ」
ナリナの問いに呟くフェイク。
「そういうことではない。貴様たちからは同じような血を感じるのだ」
「これこれ…そんなに矢継ぎ早に質問を投げ掛けるな。まずは話しを聞かんか」
ナリナとフェイクを制するモーラスに会釈をして、ステイが再び話し出した。

「見ての通り僕は吸血鬼、そしてフルルは魔女…と言ってもハーフなんですが…この娘は僕と魔女の間に産まれた子供なんです」
「なっ…!お、親子だとぉっ!?」
「なるほどな…通りで血が似てると感じたわけだ」
驚くフェイクと対象的に冷静に話しを聞くナリナ。
「僕が粛清官の任務中に隊とはぐれ瀕死の傷を負ったときに介抱してくれたのが魔女である彼女だった…僕が吸血鬼であるのにもかかわらずにね」
ふ…と昔を懐かしむような表情を浮かべステイの語りは続く。

「吸血鬼となり組織の傀儡となっていた僕も、傷が癒えるまで彼女と暮らしていた間にかなり人としての心が戻ってきて…組織について疑問を持ちはじめたんです。そして僕は組織には戻らずそのまま彼女の元に残り夫婦になったんです」
「傷を負って拾われたのは同じなのにそっちは夫婦、こっちは下僕って…痛っ!!」
「拾われた貴様が下僕になるのは当然のことだろうが」
小声で嘆くフェイクの足の甲を踏みながらナリナが同じく小声で答える。
そんな二人のやりとりにステイは苦笑する。

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