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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜 22

「……よっぽど痛かったのね」
「手加減はしたんだけど………人間って脆い」
「えっ?」
「あっ、なんでもないよ!」
 
──数分後──
 
 通報を聞いた警官がコンビニにやってきた。
 そして泡を吹いて倒れている圭吾を見て「またこいつか…」と呟いた。
 どうやら警察の常連らしい。
「で、殴られた少年というのは?」
「それが、いつの間にかいなくなっちゃたんです」
 涼子と圭吾が一悶着している間に、カズは目を覚ましていた。
 アリスに操られていた間の記憶が無く、何故自分が鼻血流して倒れていたのか分からなかったが、涼子の『警察が来る』という言葉を聞いて、こっそり逃げていたのであった。
「うーん……こいつが何かやらかしたのは分かるが、被害者がいないんじゃなぁ……」
 もう一人の被害者(?)であるアリスも、警察と関わりあいになるのを避ける為、いつの間にかいなくなっていた。
「とりあえずこいつ等は署に連れて行くとして、君達はもういいよ」
 そういって警官達は、圭吾と不良少年達を連れて、コンビニを去っていった。
 
 実は不良達にはまだアリスの術にかかったままで、アリスが去り際に『お巡りさんの言うことはちゃんと聞きなさい』と命令をしていた。
 この後、警察署で事情聴取を受けた不良たちは、自分達や圭吾のやらかした悪事を、洗いざらい白状することになるのだった。
 
「あー…もうクタクタ」
 涼子が時計を見ると、バイトの時間はとうに過ぎていた。
警察に呼び出されて休日出勤を余儀無くされた支店長は適当なねぎらいの言葉をかけて涼子達を返す
彼の頭の中は不良達の騒動の報告書。自分の休日出勤と涼子達の超過勤務の処理でいっぱいだった
 
 
それから数時間後──
 
──蒼木ヶ原市・西区──
 
 蒼木ヶ原市は『東区』『西区』『南区』『北区』『中央区』の五つの区に分かれている。
 その内、西区にはお嬢様校で有名な『私立神阿多都(かむあたつ)女学園』が在り、また学生寮や学生目当ての商店などが集まっている為、別名『学園区』とも呼ばれていた。
 
──神阿多都女学園・学生寮──
 
「やっとついた〜」
 疲れた顔をしながら、涼子は自分の部屋の前まで来た。
(今日が日曜でよかった。ともかく寝よう……)

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