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blood&witch
官能リレー小説 - ファンタジー系

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blood&witch 20

ドアをくぐったフェイク達の目には、如何にも辛そうな料理とフルーツを沢山使った甘そうな料理がテーブルの上に並んでいた。
ステイとフルルは既に席についている。
「まぁ、積もる話は食事を済ませてからにしようかのぅ。お前さん方の為に用意した料理じゃからな」
モーラス老は笑いながら椅子に座り、フェイクとナリナも顔を見合わせてから、席について料理に手をつけた。

「………で、俺達に何の用だ?俺達がフサァタに来ることは知ってたんだろ?でなきゃ、こんなに手際良く食事の準備が出来るわけねぇ」
食後にフサァタ特産のキナ茶を飲みながら、フェイクが質問した。
「…実は………」
フルルが言いかけた時、フェイクとステイの表情が瞬時に険しくなり共に同じ一点に神経を集中させた。
「やれやれ…招かざる客も来てしまったようじゃのぉ…」
相変わらず笑顔を崩さないモーラス老が二人の視線の先にある壁に向かって呟く。
次の瞬間、壁を突き破り、 太った男と痩せた男が姿を現した。
「フェイク・レイクサイドとナリナ・イースファルだな?」
「お前ら、組織の人間か?」
フェイクの言葉を肯定と受け取った痩せ男が両手にカタールと言う独特なデザインの刃物を装備した。
「お前らは?まぁ、いっか。皆殺しが依頼だからね」
ステイ達を見てそう言うと、太った方がいきなり魔法を詠唱し始める。
「こんな密閉空間で炎属性だと!?」
ナリナがそう言った直後。
「グッ!?」
放たれた火玉をフェイクが喰らい、外に吹き飛ばされた。
「フェイク!」
「外に出るぞぃ!」
密閉空間で使用した場合、魔法の威力は増大する。
モーラスの判断は正しく、みんなそれに従った。
「逃がすものか!」
「皆殺し!皆殺し!」
それに二人組が続く。
出た先は若干広いものの、人通りは皆無だった。フサァタでは朝から夕方までの間は大通りでバザーをやるのが習慣だからだ。家路につく夜ぐらいしか路地の人通りは無い。
フェイクは反対側の民家に突っ込んでいた。
「野郎!!デブの癖して魔法使いやがって!」
壁の残骸を吹き飛ばしながら、フェイクが毒づく。
「フェイク、それは偏見だぞ」
「そんな突っ込みはいらん!」
フェイクの差別発言を戒めるナリナだが、確かにそんな事を言ってる場合じゃない。
「やるぞ、フルル!」
「はい!」
コントをしてる二人を放っておいて、ステイとフルルは戦闘体勢を取る。
ステイは両腕に鈎爪を装備した。
ステイの目つきが変わり、痩せ男に飛びかかった。
「あっ!デブは俺が殺るからな!」
そう言って、フェイクもブラドーを抜いて走り出す。
「懲りない奴だなぁ」
太った方が再び火玉を出すが、今度はフェイクも油断はしていなかった。
ブラドーを構えて、火玉を打ち返す。180mは飛んだだろう。ブラドーが文句を言う様に震える。
「痛いだぁ?文句言うな」

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