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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜 19

 
 再び戻ってくると、アリスは新しい服に着替えていた。
 もっともデザインは、最初着ていた物とまったく同じではあるが。
 一方珠美の方も、何故か最初着ていた物と同じ浴衣を着ていた。
「帰ってきたわね。じゃぁ次、この子を街まで送ってきてちょうだい」
 もし狼が人間だったら、こめかみに青筋が浮くのが見えたであろう……
「……それで、ご主人様はどうされるおつもりで?」
「私は新しい住処を見てくるわ。その子の記憶見てたら、面白そうな場所があったから」
 クスクス笑うアリスを見て、狼は『またロクでもないこと考えてるな』と直感した。
「ともかく、この道をまっすぐ進めば人の住んでるところに出るはずだから、適当なところに寝かしておけば誰かが見つけてくれるわ」
「かしこまりました」
 珠美を背に乗せ、狼は言われた道を歩きはじめる。
「あっ、それから。途中でその子が起きたら『しっぺい太郎』って名乗りなさい。そしたら怖がったりしないと思うから………多分」
 珠美の記憶から得た情報で、そう助言するアリス。
 狼は振り向かず「承知しました」とだけ答えた。

大狼こと『しっぺい太郎』が玲美を連れて行くと、アリスは鬱蒼と茂る森の中を水面に覗く飛び石を踏むように軽やかに跳ねていった
その後をアリスのトランクが飛んで着いて来る
今度のトランクは革からチェックの布地の小さなトランクに変わっていた
森を抜けると町な着く
町の中心から離れているだけあってどこか簡素な雰囲気だ
ようやく白み始めた空の下、町はまだ眠りの中
唯一人の気配がするのは駅前コンビニくらいだった
駐車場では不良見習いの中坊が盗んできたスクーターを自慢している
不良見習い達がアリスに気づく
「あれ良くネ?」
「ばっか。ガキじゃねえか」
「コスガイだぜ」
「犯って流しゃ銭になるってか?」
たむろしている不良見習いが話しているのを翻訳すると
「あの娘良くない?」
「馬鹿。子供じゃないか」
「コスプレした外国人だよ」
「犯した映像をインターネットに流せばお金になる?」

個人で有料サイトが開ける管理サイトがあった
ここには古いポルノのビデオや本、または個人作成された物が出回っていた
それを運営しているのは大抵暴力団関係で、基本使用料+売上の一部で潤っていた
この時代もネット管理法は後手後手で○暴対策に苦闘している
「ね〜ね〜、お嬢ちゃん。可愛いね。こんな時間にどこ行くのさ?」
「俺達とさ、楽しいことしない?」
不良見習いは早速アリスを取り囲む
コンビニの店員は見て見ぬ振りをしていた

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