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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 180

「なあっ」
ダス・ルーチェのあまりにも無礼な言い草に、一瞬言葉に詰まるレイ。
だがファニーのほうも負けていない。
「犯したかったら犯しなさい、犬一匹ぐらい同って子と無いわ」
「おぉ、残党を纏めて捕まえられましたな」
ファニー達のやり取りを全く無視してモランが髭を引っ張り整えながら現れ、部下がレイ達を取り囲んだ。
モランの顔には『私のおかげで捕らえることができた。感謝せよ』というのがありありと浮かんでいた。
ダス・ルーチェは白けた顔をしてベートは鼻の頭に寄る皺を更に深くさせ牙を剥いて嫌悪感露わに威嚇の唸りをした。
「御苦労さま。後は私が引き受けるからあなたは部下を置いて引き上げていいわよ」
(こいつは階級だけで自分で何もできないやつ)ダス・ルーチェはそう判断するとモランだけを返そうとした。
「ほ・ほ・ほ、こいつは妊娠してるのに残党として集まって来たとは…」
モランは聞こえないふりをしてベートが抑え込むファニーの前にしゃがんで髪の毛をつかんで顔を上げさせる。
「しかも美女と来た」
モランの頭の中には詰所に連れて帰り尋問という凌辱しか頭の中になかった。
部下も呆れる無能上司にうんざりしていた。
そして部下の何人かはベートに祈るような念を送っていた。
(頼む。その馬鹿上司をその牙で黙らせてくれ。殺しても弁護してやるから)
ファニーの顔を覗き込むモランの顔はベートの目の前にある。そのまま噛みついてくれっと。
ここにいる全ての人間がベートに願いを込める中…モランだけはその空気を読まず、嫌らしい笑いをファニーに向ける。
ついでにベートに顔を近づけ過ぎているのも気付いてない。
そして…

ブシュンッッ!!…

ベートの盛大なクシャミ…巨大な魔狼だけに大量の液体をモランの顔に撒き散らし、突風のような風圧でモランを吹き飛ばして転ばす。
その場にいた全員が呆気に取られたが…その中の誰ともなく笑いが漏れ始めると、瞬く間に大爆笑になった。

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