PiPi's World 投稿小説

おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 177
 179
の最後へ

おてんば姫、ファニーの冒険 179

「ウゲェ、ゲェー」
我慢できずに昨日の夜食べたものを吐き出してしまう。
その時、一匹の犬が穴か飛び出した。
犬はまさに疾風と形容するほか無い動きで、レイたちは反応できず、ファニーはそのまま押さえ込まれてしまった。
「グルルゥ……」
犬は巨大な前足でファニーを押さえつける。
それだけでファニーは動けなくなってしまった
「み、みんな……私のことはいいから、早く逃げて」
「そんな、姫様をおいて逃げる事など出来ません」

レイたちは剣を構え犬をにらみつける。
犬も負けじと歯をむき出しにして、うなり声を上げる。
そのまま膠着するかと思われたが、新たな人物の登場によって遮られる。
「お止めベート、その方はわが君の聖母となるかもしれない人よ」
いつ穴をくぐりぬけたのか、一人の少女が立っていた。
年の頃は14ぐらい、蒼い髪を方のところで切り揃え、
黒のズボンに黒のジャケット、腕には赤い腕章がついていた。
姿かたちは人間であったが、下級の魔族以上の禍々しさを感じた。
「初めましてファニー王女、そしてアンナ侍祭にトルシアの敗残兵諸君。私の名はダス・ルーチェ、ダス・ライヒ様の弟子の一人であり、トルシア駐留軍憲兵隊の中尉を務めています」

少女は表面的には丁重に…その実、嘲るような口調で自己紹介をする。
「そして『彼』が私の忠実な僕…魔狼のベートです」
少女の紹介を理解したのか、大柄な犬…いや魔狼はファニーを踏みつけたまま、己を誇示するように低い唸り声を上げる。
魔狼…通称『銀色の死神』と呼ばれる凶暴無比な魔獣である。
その力と俊敏さは人間を遥かに超え、人肉を好んで食すると言う…深い森の奥から滅多と現れないと言うが、出会ってしまえば死神以外の何者でもない。

人になつかぬ筈の誇り高き狂獣を従えてるダス・ルーチェと言う少女…彼女も只の人ではないのだろう…
「何者でもいいっ!、姫様からその汚らわしい魔物を退けなさいっ!!」
それでもレイが気丈にダス・ルーチェめがけて剣を突き付ける。
「無駄な勇ましさは流石に宿無し騎士殿…でもベート、姫君の発情した牝臭に刺激されて退く気ないみたい…丁度ベートの交尾相手に人間の女を探してたんだけど…このままなら姫君を襲っちゃうかも…」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す