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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 172

「レイ!タニア!マチルダ!エイミー!」
「はぁ〜いぃ〜」
ゆういつ帰って来た返事はマチルダの間延びした返事だった
「姫様ぁ、少し堪えてくださいましぃ」
「マチルダ?何をするの!?」
マチルダはファニーの質問に答えず、口の中で何かごにょごにょと唱える
その声の断片がアンナの耳に届く
「ちょ、マチルダさん!?それは…!」
「はいぃ〜。いきますわぁ〜!」
そのとき、ファニーの視界は一瞬オレンジ色に染まった
バリバリバリ…
「「びやぁぁぁぁ!!!?」」
マチルダは水に沈んだ手に雷撃魔法を発動させた
雷撃は水を伝って湖に広がり、ファニー達ごと線虫達を焼いた
雷撃に驚いた線虫は戒めを解き、水の中に逃げていった
弱い電撃でも水が電導体となり、全身を駆け抜けるとファニーは口も動かせなくなった
心のなかでメルに呼びかけるが、よほど効いたのか返事が無かった
(マチルダってトロそうだけど、やることキツいのね
ライズ(主にヤンとクム)達に見られないように距離を取ったのが失敗だったかも
今の騒ぎに気づいてないなんて)
誰一人と動けない中、複数の足音が近づいて来る
(ライズ!?)
ファニーの中に安堵が沸き起こるがそれはすぐに打ち消された
「何かか騒がしいと思ったら、こんな所に人が来るとはな」
感電して動けなくなったファニーの耳に中性的な少年の声が届く
耳の中に水が入ったせいか、ブレた声だ
「兄貴ぃ、ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、え…と」
野太い中年の声がする
「六つだよ、コラン。よぉ、いつ、むぅ、で六つだよ」
中性的少年の声が優しく答える
「そっか、えっと。ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、よぉ…」
「よぉ、いつ」
「あああ、そうだ、えと、ひぃ、ふぅ、みぃ」
『よぉ、いつ、むぅ』
「あはは、数えられた!」
「いいぞ、コラン。頑張ったね
じゃ、この女の人達を運ぼう」
「うおぅ。任せてくれ」
「僕は見張ってるけど、一人でできるか?」
「うん、うん。頑張る」
ファニーの視界には二人の姿は見えなかったが、少年の声が《兄貴》で野太い声が《コラン》のようだ
視界が霞む。そのまま暗転。次第に二人の声も遠くなった

気がつくとランプの灯の明かりが視界に入った
ゆっくりと眼を動かすと丸太の壁が視界に入った
小汚い丸太小屋のようだ
首を動かすと皆、床の上に敷かれた襤褸切れの上に寝かされ、その上に毛布を被せられていた
ファニーも同様だった

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