汚辱の姫騎士アルジェ 18
「姫様、お気を確かに」
ポーラが慌てて駆け寄る。
「ポーラ、だめ、だめなの……」
あまりの激痛に死を覚悟するアルジェをなだめるポーラ。
「姫様ご安心ください。ただ産気づいただけです」
ポーラはアルジェを必死に励ます。
そこへクロエが現れる。
「あら予想よりも長くかかりましたが、ようやく出産ですね」
クロエは屈んでアルジェを診察する。
無遠慮にアルジェの性器へ手を突っ込む。
「子宮口が少し開いてますね。直ではありませんが産む準備をを始めたほうがいいですね」
クロエはエゴンに命じて産室にアルジェを運ばせる。
運ばれた産室には一本の太い綱がぶら下がっていた。
妊婦は綱に捕まり中腰の状態でいきむのだ。
「生む前に会陰を切開します。痛いですが我慢してください」
出産時に会陰とよばれる膣と肛門の間が裂けることが多いので、あらかじめ切っておくのだ。
「くっ、早くなさい。このぐらいの痛みどうって事ありません」
「では、失礼しまして」
クロエは素早くメスを滑らせ切開する。
迅速な処置により痛みはほとんど感じなかった。
綱を掴むときよろけそうになったがエゴンが支えて大事無かった。
(キケロ許して本当はあなたの子を生むはずだったのに・・・こんな下種の子を産むなんて・・・)
クロエに会陰を施されたアルジェは綱を掴みながら。
エゴンの子を産んでしまうことをこの場にいないキケロに謝罪する。
発端はキケロが浮気した噂が原因であるが、エゴンの子を産んでしまいことにアルジェは申し訳ないきもちでいっぱいなのである。
だが、そんな謝罪の気持ちも凄まじい激痛によって吹き飛ばされてしまう。
「うぁああああーーー」
「ほらアルジェ様、今は出産に集中してください。他の事は産んだ後考えれば良いことでしょ」
クロエにたしなめられアルジェは思考を切り替える。
(そうだ。まずはこの出産を乗り越えませんとキケロにも会えません)
「ほら、私の言うタイミングに合わせて息んでください」
「分かった……」
それからクロエの指示に従い力を込めて息んだり緩めたりを繰り返す。
少しずつ開いていく子宮口。
だが普通の赤ん坊より大きいオーガの子はそう簡単には産まれない。
半日かけてようやく頭が見えてくる。
「ほら見てください。頭が見えてきましたよ」
出産の様子は魔法鏡に映し出され、アルジェにも見えるようになっている。
アルジェは大きく広がった性器から銀髪に覆われた赤ん坊の頭が見えてることに気がついた。
「さあ、後もう直です。がんばったください」
アルジェはあともう少しだと思い、思いっきり息んだ。
「うぁあああああーーーーーーーあああああぁああああーーー」
アルジェは人生の中で一番の激痛に襲われながらも耐え抜き出産する。
最初に頭が出て、次に肩が抜け、最後に全身が体外に排出される。
「おぎゃあ、おぎゃあ」
赤ん坊の泣き声が部屋中に響き渡る。