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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 144

そして心中密かに神を呪うファニーだった。
だが彼女は気づいていない、自分の発する体臭に魔物達を欲情させるフェロモンが混じっていることに。
人間には効かない、魔物だけに効果を現すフェロモン。
船のモンスターたちは必死にこらえていたが、もう二三日航海が続けば、どうなっていたか分からない。
ファニーの体臭は風に乗り、はるか遠くにいる森の淫獣たちを刺激していった。
当然の事だが首飾りの呪いによりファニーの身体と同一となり連動する形となったアンナも同様である。
そんな二人のフェロモンが強力に森に漂ってきていて、森の中にいる全ての淫獣達が活気付いて発情しているとは、この先否応でも森に入らなければならない二人にとって正に『私達、妊娠しに来ました』と言っている様なものだった。


そうとは知らないファニー達四人は今夜の宿を見付けていた。
今日は何故か宿屋は殆ど満室状態であり、飛び込み客であるファニー達は六軒目最後の宿屋でようやく部屋を見付けたのだった。
ファニー達が泊まる部屋は少し質素な二人用バンガローでファニーとアンナが泊まる部屋とティーエとライズが泊まる部屋はかなり離れていた。
そしてティーエ達と別れたファニー達は船旅の疲れもあってか早々にバンガローに入る。
「御免…アンナ…疲れたから…もう寝るわ…おやすみ…」
「おやすみなさいませ、姫様…」
二人は宿屋から借りた寝袋に入り眠りについた。


ファニーとアンナのバンガローのすぐ近くに、まだ人で言うと十五歳にも満たない猫族の魔物の少年二人がテントを張って泊まっていた。
二人の名前はヤムとクンと言う双子の兄弟で武道の修行の旅で此処に居た。
兄弟は生まれてから師匠である父から鍛練されおり三ヶ月前に「二人で修行の旅に出ろ」と言われ旅に出ていた。
「兄さん…何か…良い匂いがするよ…」
「ああクン、そこのバンガローから漂っているな」
二人は修行に明け暮れ精通してるとは言え、性の知識は殆ど身に付けていない初な少年だった。
しかし男の本能がファニー達のフェロモンに反応し、二人はテントを飛び出る。
外では既にファニー達のフェロモンで十数人の魔物がバンガローの周りに集まっていた。
魔物の種類は様々で、兄弟のような獣人タイプだけでなく、昆虫や爬虫類、両生類や触手の塊のようなものもいる。
そしてみながみな発情し、生殖の宴に参入しようとしている。

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