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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 143

(分かってるわよ!好きな人の子供だったら心から喜ぶわよ!)
(メル…こちらこそよろしくお願いいたします)
二人もそれぞれのメルに話し掛けた。
そして、その後二人はお互いのメルの性格の違い等を楽しく語り合い今日の日を過ごしたのだった。


その後、魔王軍の監視が続く中で船は緊張したがスムーズな航行が続いた。
ファニーは刀を使った鍛錬を続けティーエ達もそれぞれの到着後の準備等を行い到着に備えた。
そして船は魔王軍に一回も攻撃を受けずに静かにモールメンの港にに到着したのだった。
モールメンはプレグナンス大森林のすぐそばに作られた町で、森から取れる薬草の加工が主な産業だ。
プレグナンス大森林は、かつては聖地として知られ大勢の巡礼者が訪れていたが、魔王グリンデ降臨後は、降臨の際に吹き出た瘴気によって淫獣たちの巣窟とかしていた。
毎年何人かの女性が淫獣に攫われて、森の奥深くへと連れ込まれている。

モールメンの待ちはすでに夕暮れに包まれていた。
それは魔王軍の目をくらます為に、わざわざ時間を調整したためだ。
上陸すると、嗅ぎなれた潮の匂いのほかに、かすかに漂う薬草の匂いがファニーの鼻腔を刺激した。
昼間なら薬草を加工する音でにぎやかになるのだろうが、今は夕闇に包まれている。
それでも二、三軒の酒場が開いており宿屋も営業していた。
一行はここまで送ってくれた船長に別れの挨拶を告げると、まっすぐに宿屋へと向かった。
「それにしても何事も無くてよかったですね。途中で襲われるものと覚悟していましたが」
「そうね……」
アンナが話しかけるが、ファニーの返事はぶっきらぼうなもの。
「あの姫様、わたくし何か姫様に粗相をいたしましたでしょうか」
「別になんでもないわよ、アンナの気にしすぎよ」
なんでもないと言いつつ、ファニーの不機嫌さは隠れなかった。
(何でよ、何でおんなじスライムに寄生されてるのに、あそこまで胸が違うのよ)
ファニーの不機嫌の原因、それはやはりというかバストの悩みだった。
メルに寄生されると、胸が大きくなるはずなのに、いっこうに成長しないのだ。
期待が大きかった分、当てが外れると余計に悲しくなっていく。
(何よ、この世には神はいないって言うの、貧乳はいつまでたっても貧乳のままでいろというのかしら)

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