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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 102

はぁ、とため息をつき、三人はもう一度控え室のほうを恨めしげに見る。
 すでに特別招待試合は始まっており、今は引退したが人気の高い元剣闘士同士が戦っていた。
 ファニーとマモンの試合は一番最後になっていて、残り時間はおよそ二時間といったところ。
 その間になんとか中の人間がファニーかどうか確かめたいところである。
「こうなれば…」
 何かを思いつき、シャーリーが呟く。
「中の人間が本当にファニー殿かどうか、彼に聞いてみるでござるよ」
「彼?」
「確実に答えを知っている人物でござるよ」

「ここでござる」
 自信ありげにシャーリーが向かったのは、なぜか剣闘士達が使う大浴場だった。
「あの、何でこんなところに…」
「いいから入るでござるよ」
 躊躇なくドアを開け、すたすたと中に入っていくシャーリーに続き、仕方なくアンナ達も中に入っていく。
『ウヮッ!!!』
「キャッ!」
 脱衣所にいた剣闘士達は突然入ってきた女性三人に驚きの声を上げる。
 一応男女混浴だが、今いるのはアンナ達以外は全員筋骨隆々とした男ばかりだった。
 シャーリーはその中にいた一人のオーガに近づいていった。
「ちとお尋ねいたすが、貴公らの主・マモン将軍はどちらかな?」
「へっ?あっ、あぁっ、マモン様なら一番奥のサウナ室だ」
「さようでござるか」
 それを聞くとシャーリーはその場でいきなり服を脱ぎ始めた。
 いきなり目の前で女が服を脱ぎ始め、そのオーガは唖然としたが、それ以上に驚いたのはアンナのほうだった。
「ちょっ!何を!?」
「何って、風呂場に服着て入るわけにはいかんでござるよ」
 そういってあっという間にシャーリーは裸になってしまう。
「なるほど、マモン将軍なら対戦相手が誰か確実に知っているはずというわけですね・・・」
 シャーリーの意図に気づくと今度はラーストチュカが服を脱ぎ始める。
「ちょっと、あなたまで・・・」
「アンナ様は外でお待ちください。わたしとシャーリー殿で将軍に会ってきます」
 アンナには刺激が強すぎると思いラーストチュカはそう勧めたが…
「……いえ…私も会います!」
 そういってアンナは思い切って自分の服に手をかけた。
3人とも服を脱ぐと、バスタオル一枚だけを身にまとってサウナへと入ってゆく。
その同道とした姿に圧倒されて、周囲の魔物たちは声をかけることすらできなかった。

マモンはサウナの心地よい熱気の中で、顔に含み笑いを浮かべながらファニーに対する妄想にふけっていた。
(もうすぐあのファニーに会う事になるとは、思いがけない幸運というのは本当にあるものだな)
撤退を決めた時は断腸の思いだったが、まさかここで会う事になるとは思いもよらない事だった。

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