陣陽学園〜Fight School〜 77
彼等も正直怖いのである、幕辺の三穴を犯す最中も、その表情は歪みどこか卑屈だった。
幕辺壷美は懺悔と称し、彼等の嫌がらせから仲間を守ると同時に、ああした連中の救いにもなっているのだろう。
弱き者の楯として。
でなければ出流は敵も味方もあるものかと不義への必罰、あの三人を叩きのめしていた所だ。
―数刻後―
事が終わり三人は嘲笑と共にプレハブを去る。
幕辺は土埃に汚れた入れ歯を探し出して嵌め直すなり、やはり杖を突きながら立ち直る。
アクリル素材の安っぽいステンドグラスから射し込む夕日に照らされる幕辺壷美、その身は所々に白濁を滴らせ無数の痣までも増やしている。
祭壇に適当な材木を打合せただけであろう、粗末な十字架を背に幕辺壷美は宣う。
「迷える子羊達よ、主は汝らの罪を、許されよう、エイメン。」
一人になったそこで立つ幕辺は、神々しくすらあった。
そこにシスター達が駆け寄り、彼女の身体を汚す白濁液を舐めとっていく。
肌だけでなく、2つの穴すらも・・・
表情が恍惚としてるのは精液に興奮してるのでは無く、彼女に奉仕できるからだろう。
神への信仰と同じぐらい、彼女を信仰してるかのような態度だが、この神々しさを見れば出流も納得だった。
「八霧さん・・・」
そこに駆けつけなかったシスターが束になった資料を出流に手渡す。
「これは私達がこの学園について調べたレポートです・・・恐らくあなたの求める情報の一部も含まれてるかもしれませんので、どうぞお持ち帰りください」
「・・・君たちはいらないの?」
書類を受け取り聞く出流にそのシスターは微笑んだ。
その微笑みは、まるで泣いているようにすら見えた。
「私達は・・・暫くここで暮らさねばなりません・・・」
シスターの手が己の腹の辺りをスッと撫でる。
「団長以下・・・排卵誘発剤を飲まされ・・・犯され・・・誰も生理がありませんもの・・・」
それが意味する事は出流も分かる。
宗教上の禁忌で堕胎が許されないからこそ、あえてそうやって陵辱されたのだろう・・・
生命の誕生と言う神聖なものを陵辱されたようで、出流も怒りを感じずにはいられなかった。
「故に、あなたにお願いがあります」
「ええ、なんなりと・・・」
例え要求が無茶でも聞かざるを得ない・・・
そうじゃなきゃ漢が廃る。
漢ってのは性別や見てくれじゃなく、その心だとは山吹組で居た短期間で学んだ事だ。
例えかつての敵でも、見せなきゃいけない漢意気があった。
その出流に、シスターは隣にいた可愛らしいシスターを出流の前に立たせた。
「団長の弟です・・・この子を、あなたに託したいのです・・・」
目の前の可愛らしい美少女シスターが男であった所で今更驚かない。
幕辺の弟と言うが確かに顔はそっくりだし、出流の記憶の中に確かマスケット撃ちのやたら上手い子だったのがこの子だった気もした。
だが、姉と違い生気の無い瞳・・・
絶望し、諦めきった表情をしていた。
シスターは幕辺弟に背中を向けさせ法衣を脱がせる。
背格好は出流と同じぐらい小柄。
そして華奢な身体。
法衣を脱がされそれが露わになるが、出流が真っ先に気づいたのは背中一杯の十字の傷。
焼けただれたような傷跡は、焼き印のようであった。
「この子は罪を得ました・・・」
シスターは幕辺弟をゆっくり前に向ける。
白い華奢な身体・・・
しかし、股間の逸物は・・・
デカい!
皮被りだがタマも竿も超のつくビックサイズだ。
「排卵誘発剤を飲まされた団長は・・・この子と禁断の交わりを強制されました・・・」
美少年が震える・・・
罪の意識が蘇ったからだろうか・・・
一般社会で許される事でない上に宗教上の禁忌であるから、姉弟共に地獄の苦しみを味わっただろう。
しかも姉は、間違いなく子を宿している。
絶望でおかしくなっても当然だし、精神崩壊まで行ってない彼は強靭な精神力なんだろう。
それ以上に凄いのが幕辺壺美の精神力だ。
彼女は学園に来る以前、フェンシングや古式銃の選手として以上に宣教師としての精神教育を受けており、そうした部分も大きいのだろう。
新興宗教と呼ばれる団体の大半が社会的な癒着の常套手段という現実、幕辺壷美も時折そうした要素は利用してきた。
マスコミを賑わすカルト団体の学生部門区隊長として。
しかし彼女の根底で宗教家としての軸だけは決してぶれなかった。
宗教は魔法でも奇跡でもなく学の一つに過ぎないという根本を謙虚かつプライドを持って理解していた。
そうした部分が気に入られているのだろう、カトリック出身の劣等科生徒達は幕辺姉弟を始めとした元・十字軍を影から支え、時として他宗派・他宗教の生徒までもが訪れる。
そうした接点から、出流の同室である空波アキは劣等抜け道場で幕辺の弟と知り合った様だ。