香港国際学園 35
夜栄は怖いと思った。思ってしまった。
相手はまだ何もしていない。自分が生み出した恐怖に押し潰されそうになっている。
主姫がこちらを向いた。
目があった。
突然、とてつもない悪寒か走った。殺されると思った。
自分はもう死ぬんだ、と夜栄はそう思った。
ゆっくりと夜栄に近づく主姫・・・夜栄は指先すら動かせずにいた。
そして、近づいた主姫が夜栄の頬をすっと撫でる。その手の余りの冷たさは夜栄の心すら凍り付かせるような感触であった。
「ふふふっ・・・あなたは男の子の時の方が素敵なのね・・・1週間おとなしく待っていなさい・・・」
そう言うと背を向け教室から出て行く。
主姫が出た後、主姫の力を見せ付けられた、そこにいた全員がへたりこむ。
この対峙だけで、全精力が奪われたような感じであった。
…所かわって、ここは校舎裏射撃場…。『能力者』といっても全部が全部、戦闘に適した能力を持っている訳ではない。特に揉め事を起こしていない生徒なら武器貸与申請も可能な訳である。「…当たらん…」手にする銃は64式小銃、入学時からずっとロッカーに仕舞い込んでいた物を引っ張り出して来た才英。
癖のあるシロモノだが銃の性能が悪い訳ではない。人並みに射撃センスのある者なら200メートル先の人間サイズの的に着弾する様になるハズなのだが…。「…当たらん…」流石に20発入り弾倉を6本もカラにするといい加減、集中力も限界だ。『足手まとい』茜の言葉が脳裏をよぎり、へたり込む才英。「少し休むか?」「桐生…さん…?」
才英の横で扱いにくいコンバット・パイソンで的に全弾命中させていた悠里。
「すごいなぁ・・・こっちは全然当たらないのに・・・」
まあ、才能の違いと言ってしまえば早いのだが、その事が才英を余計に情けない気分にさせていた。
「地道に練習するか・・・戦場に放り込まれるか・・・どっちかで上手くなるぞ」
「・・・地道に練習します」
しかし、もう気力もなくへたり込む才英を見て、悠里は才英の目の前に腰を下ろす。
「では、私が元気をつけてやろう」
そう言うと、コートのボタンを外し、ブラウスのボタンを外し、ブラのフロントホックまで外す悠里。
(鈴木さんよりは少し小さいけど、綺麗だなぁ・・・じゃなくてっ!)
パニックになりながらも悠里の美乳から目が離せない才英・・・悠里はそんな才英のジッパーをずらし、肉棒を露にさせると乳房で挟み込んだのだ。
「こうすると男性は元気になると聞いたが?」