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香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園 34

甲良は勇牙を強引に引っ張り校舎の方へと持っていく。
才英はその場で戸惑っていたが、一緒に登校していた押しかけ恋人の悠里に2人のところまで引きずられたのだ。
「いいか御堂・・・いくら生徒会、公元主姫とは言え、教師会と校長の了承無しに刑罰は決められない」
「じゃあ『あれ』は校長先生が認めたのですか?!」
甲良の言葉に才英が聞く。勇牙は厳しい目で2人の凌辱に来た男子生徒の山を見つめていた。
「そうだ・・・今泉姉妹の行動は確かに厳罰に値する・・・でも俺だってあれはやりすぎだと思うぞ!」
「校長先生に掛け合えないのですか?」
茜の方にも男子生徒がたかっていく様子を心配そうに見ながら才英がさらに問う。
「御堂やお前らじゃ無理だ・・・一応、今回のやり方は俺も納得がいかん・・・会長に合ってみるから、それまで暴発するなよ・・・事態がさらに悪化するからな」
「ああ・・・何もしねえぜ・・・おいっ!、お前ら行くぞっ!」
以外にも勇牙はあっさりと引き下がる。才英と悠里は何故呼ばれたのか分からないが、御堂に促されるように後に付いて行ったのだ。

両の拳を握り締め、肩を震わせている才英。「桐生さん…」「何か?」悠里が普段通りの無気力な表情で振り向く。その深く澄んだ瞳は何も言わずとも今の才英の心境…己の無力さに対する怒り…を見抜いていた。
同刻、主姫は二年生の教室の一室にいた。
呼び出されたのだ。要、絵里子、奈々子、夜栄に。
皆、表情は堅かった。
最初に口を開いたのは要だった。
「誠一は、何処にいる?」
それは要の人生の中でもっとも凄みのある声だった。
主姫は深く沈んだような暗黒の瞳で要を見返す。
まるで吸い込まれそうな瞳・・・要も気力すら全て奪い去られるような感覚になる。
「彼は懲罰室よ・・・そこで一週間は反省してもらいます」
言葉に感情を込めず言い放つ主姫。
「何でアイツだけなんだっ!・・・俺達だって同罪だろっ!」
「いちいち小物をとっ捕まえる程、生徒会も暇じゃありませんわ・・・一応、自由奔放がこの学園のモットーですからね」
小物呼ばわりされてそこにいた全員が気色ばむ。
「ヤロウッ!・・・」
真っ先に反応したのは、男になって性格が過激になった夜栄であった。
主姫に掴みかかろうとするが・・・その動きが途中で止まる。主姫がなにかした訳ではない。夜栄の影が夜栄の足を掴んでいたのだ。
主姫の能力?!、一瞬そう思ったが、主姫の影の中に、『何か』が住み着いている・・・そんな気がしたのだ。

いや、違う。これはきっと影じゃないのだろう。
これはきっと『闇』だ。
影とは光が遮断された所のことだ。つまり、太陽の光を遮る雲のようなもの。
しかし、主姫はその程度の存在ではない。
光すら感じられない夜のような存在。闇だ。
それは主姫の強さにも比例しているように思えた。
自分の中にある勝算や希望が圧倒的な強さでねじ伏せられるとかいう次元じゃない。
勝算や希望を持つこと自体が馬鹿らしくなる、そんな感じだ。

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