香港国際学園 181
「そーだろー?あぁ、俺名前言ってねぇや!俺は院堂甲作(インドウコウサク)コードネームは『フェニックス』だよん!だから死なねーの。フェニックスは炎と共に蘇るのさ!」
無駄にテンションが高い。そして殺気も感じられない。
「何をしにきたんだ?」
再度理人が尋ねる。
「んー?」
甲作すくには答えない。もったいつけてから答えた。「いや、ちょっと取引にね」
「取引?」
「うん。いやさ、ミネルヴァに帰ってくんない?そのかわり君の女を殺さないであげる」「断る」
「へえ。どうして?」
「美咲は俺の手で取り戻す。それで終わりだからだ」「ふぅん…彼女が大切って訳だ?」「そうだな」
「と思っているんだね?表面では」「あ?」
「だってそうじゃないか。ホントに大切なら何ですぐに助けに来ないの?」
理人の答えを待たずして甲作は続けた。
「危険だと判断したからでしょ?自分の方が大切なわけだ?」
「違う!俺は三日後必ず美咲を助け…」
「何なのその三日は?何で今すぐ、助けに来ないの?その間に彼女がなにされるかわかんないよ?」
「それは、今行くのは無謀だと…」「何だ。やっぱ保身のためか。まぁ仕方ないか。組織を裏切るような奴だしね」
「それは関係ないだろう!」
「あるよ。君の連れがそうだったじゃないか。陸童ってやつ。自分の女が裏切ったら殺しちゃったしね」
「別に怒りに任せて殺した訳じゃない!」
「でも殺したんでしょう?ミネルヴァに戻れば丸く収まった物をさ。つまり彼はさ、自分の自由の為に、自分の女を殺した、と。
君もさ、君の女が思いとどまらなかったら殺してたでしょ?」
「俺はそんなことはしない」
「じゃ、ミネルヴァに戻ると?」
「戻らない」
「だったら彼女がミネルヴァに狙われるよ?」
「美咲を殺そうとしたら、そいつを俺が殺す」
「何だよそれ。だからさミネルヴァに戻れば丸く収まるっつーてんだろ。女も欲しい、自由も欲しいなんてわがままじゃん。結局、君のわがままの為に彼女はいるんだね?」