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香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園 182

「違う!俺は美咲を愛して…」
「…は、いないよね。だったらもうすでに彼女を助けに行ってるはずじゃん?もしくはミネルヴァに戻る。それが彼女の為にできる事じゃない?そしたら彼女のみの安全は保証されるしね。
でも君はそれをしない。自らの保身と、自由を失いたくないから」
「違う!違う違う!」
「違わなくないよ。どうせ自分の良心を満足させるために彼女を守ってるんだろー?」
「黙れ!」
「そしてもし、自分を裏切ったら殺すんだろ?陸童みたいにさ」
「陸童は、それがカナンの願いだと思って…」
「殺したんだ。じゃあ君も殺すんだね?」
「おれ、俺は…」「でさ、さっきから再三言ってるけど、ミネルヴァに帰れば良かったんだよ。でもそれをしなかった。自分の自由を失いたくないから」
「うるさい!」
「どうせ君も殺すんだろ?そりゃあねぇ。愛してもいない人の為に、自由を失いたくないからねぇ?」
「うがあぁ!」
ぐちゃっ
肉のつぶれる音。ぼう
火の灯る音。
「だから、死なないってば」
「くそが!」
理人はもう一度攻撃体制にはいる。が、
「あんまり、俺を苛めると君の女を殺しちゃうよ?」理人の動きが止まる。
そして、
「あーあ、愛してもいない女のためにこんな痛い思いをしちゃって、カワイソ」
甲作は剣を抜いていた。
その刀の切っ先は、理人の脾臓を破壊していた。

「くは…?」
言葉と一緒に血が理人の口からこぼれる。
甲作は剣をぐりっと捻り、肝臓と腎臓を破壊した。
そしておもむろにポケットから携帯を取り出す。
剣は刺さりっぱなしだ。
「もしもし?烏沢ですかね?あぁ、はい。すぐに理人の回収をして下さい。へぇ?ああ、帝星と同じ轍は踏みませんって。空間関係能力に対してはプロテクトしてますんで。はい、はい。でわー」ぱくん
携帯を畳む。
「あー、今夜は星が綺麗だ」
甲作の口から言葉と一緒に白い吐息がこぼれた。
そして隣で、理人の血から猛烈に湯気が立っていた。
「・・・ゃん!!!・・・ちゃん!!!!理ちゃん!!!!!」
「み、美咲?」
理人が眼を覚ますと見知らぬ所にいた。手は特殊合金の鎖で繋がれ身体はぶら下がっている。
「良い状態だな。」
「ゴルドー・・・、それにラースまで。ああ、そういや俺は捕まったんだっけ。」
いやに下腹部が痛い。さっきの記憶が蘇ってくる。
「理ちゃん!!!」
見れば、隣に繋がれているのは美咲だ。
「美咲・・・。」
「良かった・・・。死んじゃったかと思ったよぉ。」
美咲が泣きじゃくっている。
それを見ると胸が痛んだ。

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