香港国際学園 176
カナンは急に姿を消すと目の前に空間転移して現れた(まさか…カナンがこのような高度な空間転移を…やなくクラスにもひけを取らん速さだ…)
目の前のカナンは刀機が知っているいつものカナンとは違った…化粧は派手で服装もいつもの質素な感じではなく露出も多い「その驚いた顔も素敵よ…でも…アナタには研究所に戻ってもらい、実験体としての役目を全うしていただくわ…」「カナン…まさか…操られているのか?」「バカね…アナタほどの人ならば解るでしょう?私は正常よ…さあ!潔くやられなさい!!」
「・・・・風龍騒乱!!」
刀機とカナンの間に竜巻が起こる。
「何、ボ〜っとしとるんだ。君は?」
「橘・・・」
「・・・・あらら。お前の相棒、敵になっちまったらしいな。喧嘩でもしたのか?」
理人が敵側にいるカナンを見て驚く。
「いいえ、私達はいつもラブラブだったわ。ねぇ?でも、残念。私達はあなた達を監視するために近くにいたのよ。」
「私達?悪いが、知ってる顔はお前しかいないぜ?」
「ひどいなぁ。私の事、忘れちゃったの?」
理人が後ろを向くと、そこには・・・・
「み、美咲・・・・。」
「ごめんね、理ちゃん。私はもう理ちゃんの側にいられない。私達はミネルヴァの監視役・・・・。あなた達はミネルヴァにとって、厄介でありながら、貴重な実験体なの。・・・・だから、おとなしく、捕まって。」
『私は、いつでも側にいるよ。』
美咲が囁いてくれたあの言葉が理人の中で浮かんで消えた。
理人は美咲と向き合い、覇龍皇を構える。
「・・・悪いが、そう言う訳にはいかない。お前が俺の敵になったなら、俺の存在理由は、ミネルヴァを潰す以外にない。だから、俺は、お前を殺して前に進む。サヨナラだ。」
「そう。なら、私も理ちゃんをせめて自分の手で殺してあげる。」
悲しみに彩られた笑顔で美咲は理人に挑みかかる。
普段では考えられないスピードと非情さで理人の人体急所を狙って拳と蹴りを繰り出してくる。
理人はそれを紙一重でかわし、龍砲を撃つ。
・・・・そんな激しい戦いの中、やはり理人の動きは鈍かった。
美咲はそれを見逃さず、能力を発動する。
歌声が理人の耳に届くと、理人の動きが止まった。
身体が動かない。脳だけ働いているいるようだ。
「連れ帰れば、理ちゃんは理ちゃんじゃ無くなる。だから、バイバイ。」