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香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園 177



理人は、死んだと思った。だから、眼を瞑った。だけど、いつまで経っても、美咲の手にあったナイフは理人を貫かない。理人は眼を開けた。
「・・・・カナンちゃん。やっぱり、私には無理だよ。殺せない・・・・、理ちゃんが好きだから。」
「美咲、殺らなければあなたがミネルヴァの暗殺リストに・・・」「わかってる。でも、ダメ。出来ないよ。・・・・理ちゃん、ごめんなさい。今まで騙してて。」
「・・・・さて、おかしいな?なんで美咲がここにいるんだ?なんで謝ってんだよ?」
理人が笑いながら美咲を見る。
「理ちゃん・・・?」
「泣いてないで、さっさと立て。・・・・俺はお前がお前であるならどうだって良いさ。お前の親父さんやお袋さんがミネルヴァに関わってるからこんな事になったんだろうけど・・・・。剣護や瞳は関係ないんだな?」
理人の言葉に美咲が頷く。
「理ちゃん、許してくれるなら、まだあげてない処女だってあげる。」
「おいおい、俺をみくびんな。俺は何もいらん。お前が側に居てくれるなら。」
「うん!!!」
美咲は満面の笑顔で理人を見た。
「美咲・・・・」
一方、カナンは信じられないという顔をしている。
「私はあなたのようにはいかないわ…あの人を裏切ることはできないから…」「そうか…」刀機の右腕が光ったかと思うと、刀機の左手には蒼色の光を放つ剣が握られていた…「そいつが霊剣が?」「カナン…おまえには礼を言っておく…今日までありがとう…先にあの世で待っていろ…おれの行き着く先は地獄かもしれんがな…」「あなたの向かう所ならばどこへでも着いて行きます…どうか死なないで…」そう言うとカナンはみずから霊剣草薙に身を委ねた…「許せ…」
「カ、カナンちゃん…」高みの見物を決め込んでいた二人が近づいてきた…「バカめ…しょせんは操り人形かよ…カスが…」「だから、コイツは使えねえって言ったのによ」「橘…この二人は…」「もちろん、お前にくれてやるよ。ぶっ潰してやれ!」「ふん…承知!」
その前に、何も無い空間から、目深にフードを被った人物が出てくる。
その人物は、カナンの身体を抱え、美咲を無理矢理掴むと、ミネルヴァの刺客2人に言った。
「裏切り者には、死すら生ぬるい制裁を・・・無能者には、この世から痕跡すら残さぬ消滅を・・・汝ら・・・そうなりたくなくば、勤めを果たせ・・・」
低く地獄の底から這い出たような声・・・その声に残った2名の態度が明らかに変わる。
彼らは、相打ち覚悟の決死で悲痛な・・・しかし決意に満ちた表情で、理人、刀機に対する。
フードの人物はそれに満足したようにカナンと美咲を抱えたまま空間へと消えようとする。
「させるかっ!」
理人の刀機がフードの人物を追おうとするが、刺客2人に阻まれ・・・その間に美咲とカナンをかかえたまま消えたのである。

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