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陣陽学園〜Fight School〜
官能リレー小説 - 学園物

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陣陽学園〜Fight School〜 17

またサラリと下品なジョークが紛れ込んでいたが、それよりスピーディーな二人の遣り取りに軽く驚いた。

財布に仕込んだ寸鉄…古武術全般で使われる短い棍棒…に関して純華に教えていなかったが、寝てる間にでも調べたのだろう。

結局、根掘り葉堀りの対応で怪訝な表情をしていた出流に対し、眼鏡の黒セーラー服は遅ればせながら、と断りを入れて蜂丸市夏(はちまるいちか)と名乗った。

「大丈夫、全裸にして口の中や直腸まで調べるなんて言わないから、見せて。」

純華お嬢と違う路線でサラっと下を挟んだ蜂丸市花が説明を始めた。
生徒に併せた武器防具を学園側だけでなく組内でも管理するというセキュリティ面での意味合いが大きい。
こうして組側でもデータを取っておいて修繕等の学割や、昇格降格の際にスムーズな手続きを行う配慮だそうだ。


納得した出流が備品のサンダルを借りてから武具を寄越すと、市花は寸法を測り簡単な金属テスターにかけ、そしてデジカメで簡単な画像記録。
市花はデータ入力を終えてそれらを出流に返し、備品機材を片付けた。

「じゃあ次、おチ○ポ、出して。」
「え?」
「いいから!お○ンポ!出しなさい!」
「え!えぇ〜?」

出流は市花のしごく真面目、高尚な芸術家かの様な表情に気圧されていた。
男子は怖い物知らずの鉄斎彦一まで含めてそっぽ向き、女子もまた顔を伏せたまま何か堪えている。

「組の男子全員通った道だ、健康面って事で、アレだ。」

さっきまで散々してくれた純華までも顔を伏せる傍ら、市花は私物らしきデジカメを用意している。

今更恥ずかしいも何もないが、皆が気を遣って直視は避けている、出流はズボンとパンツを膝まで下げた。
剥いた状態被った状態の確認だけならまだしも、勃起状態の被り加減も記録するだとか何処となし性犯罪の臭い、そもそも流石に朝から何発抜かれたかわからない出流は拒否の姿勢を見せる。

しかし市花の真摯な瞳に気合いで応えるべく、軽い前立腺マッサージを受けてどうにか撮影間だけ持ちこたえた。
何か市花も色々辛いらしく冷静な表情を保ちながら、心の涙が如く軽い鼻血を流している。

「ありがとう、もう履いていいわよ。」

出流が下半身を納めると、男性陣から『よく頑張った』『俺も騙された』『強く生きろよ』と色々気になる声が上がっていたが、手続きらしい事は済んだ様なので良しとしよう。

そして皆、何も見なかった事にしよう、何も変な事は起こらなかったんだ、そんな空気で八霧出流を出迎えた。


先程の茶番劇のお陰で純華の新しいオトコという話は隅に追いやられ、小夜子の親類どうこうは話題にさえ挙がらず済んだ。

教卓に立って形式ばった自己紹介を済ませると、駄菓子や小銭を『その他』を包んだオヒネリが飛んできて、出流はペコペコと頭を下げながら中身を改めた。
半ば予想はしていたが小銭駄菓子はごく少数。
その他まずコンドーム、避妊ピルと記入された錠剤、この学園の風潮なのだと理解していた所、バットガールズと似たようなギャル達が『校内射精セーフ校内妊娠アウト』と説明して一同爆笑する。
そしてどういう訳かイチジク浣腸が出て来て何に使うの?と聞いたら犯人とおぼしき蜂丸市花が『腐っ腐っ腐っ』と不気味な微笑を浮かべた。
犬神鉄斎以外は微妙な反応を示した男性陣の反応から尻が痛い…いや知りたくない世界の存在を理解した。


そして後は武術談義を始めとした組全体での雑談…実戦向け即ち武の真実と信じて疑わなかった出流は驚いた。

彼が最強と教わった日本古流武術の関係者が恐ろしく少ないのだ。

どこか病んだ瞳、不良ともオタクとも区別のつかない、短髪を青く染めたフェンシング出身の女生徒はこう言った。

「剣とか付いても剣道だけが履歴書で重宝されるっておかしいよね?」

国技に拘りながらも貪欲にメダルを求める五輪競技、日本のフェンシングもその矛盾の一つだ。

更にそのフェンシング自体もフルーレ競技ばかり主張され、サーベルやレイピアの実戦向け剣技は廃れつつある。
広刃のロングソードに至ってはスポーツチャンバラ基準のコスプレ扱いだという。

日本の剣道にしてみれば剣術は実戦向けとされながら裏方同然、柔道と柔術にも同様と言える話だ。

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