香港国際学園 126
「じゃあ、刀機たちとは?」「それは本人たちから聞くほうが良いよ!ねぇ?」その言葉が終わると暗がりから陸童刀機が姿を表した「盗み聞きとは趣味が悪いじゃないか刀ちゃん」「おまえに言われる筋合いはない・・・」「ははは・・・やはりばれてたの?」「で、君と主姫の関係は?」誠一が話を戻した「陸やカナちゃんがラボを逃げられたのは姫ちゃんのお陰なのさ」「結果的にラボは破壊され、陸やカナンちゃんを製作した沢井教授も行方不明に」
「あの頃の俺たちはお互いに自分たちの運命を呪っていた」「主姫もってこと?」「ああ、主姫は7歳から養父である公元氏に抱かれていた。今とは違い抱かれるたびに泣いていた・・・」「今とは想像もつかないよねえ・・・この間なんて・・・」「んなことは、今は良いんだよやなく・・・」
「むぅ…」
続きを邪魔されてむくれたやなくを刀機が視線で制し、しぶしぶまた言葉を綴り出す。
「ラボが破壊された後、皆は一旦散り散りになったんだ。でもこんな力を持ってる限り普通の生活にはなじめない。家庭なんかないしね」
言葉を止めて誠一に目を細める。
「皆がどんな生活をしてたかは想像に任せるけど、僕は姫ちゃんと何度か交信はしてたんだ。そして姫ちゃんがここに来るのも力を持ってる以上予測はできてた。だけど…姫ちゃんはここに来てから変わったんだ。それは姫ちゃんだけじゃない」
「じゃあ、ラボを抜け出した奴が、君たち以外にもいると?」「ああ、確認は取れていないが、能力者である限り、学園が野放しにしておくとはおもえん…」「アドルフってのもじゃあ」「奴は違う…奴はラボ…」「そんなに恐ろしいの?刀ちゃん?」「奴は十年前…俺の力の暴走で死んだはずなんだ…」そう言うと刀機は右腕を差し出した「どうしたの?陸童君?」次の瞬間には刀機の右腕が肘から上を残して消えていた…「まさか…具現化させていたのか?」「ああ、右腕から暴走した青い力はアドルフを貫いたが俺の右腕も消し去ってしまった…」「奴には用心するんだな誠一…おまえでも一筋縄ではいかないだろう」
「君や主姫がそこまで恐れるとはね」「奴の能力は底が知れないんだよねぇ…姫ちゃんも多くの能力を有しているけど、彼はそれ以上なんじゃないかなあ?しかも、どんな能力を持っているかわからないし?恐ろしいよねぇ…誠ちゃんみたくさあ」「何で?僕が?」「僕たちには隠せないよ?君の怪物級の恐ろしさはねえ」「怪物級って松坂世代かい?」……さむ………