香港国際学園 113
「これじゃダメなんだよ・・・君たちには幸せになってほしかった・・・」才英は自分の不甲斐無さを嘆くと部屋に座り込んだ。血の争いの凄まじさをまざまざと見せ付けられた才英は、自分の立場を改めて噛み締めていた。「くだらないな・・・逃げても直ぐに見つけ出して殺してやるのに・・・」誠二は吐き捨てるよういうと「なんたもあまり邪魔をしないで下さいね・・・才英くんも・・・(殺したくなっちゃうからさあ)」
誠二もその場をさると、その場には才英と幻柳だけになった。「いけませんね・・・愛する者同士が手を取り合って生きていけないとは・・・」「ええ・・・最悪です・・・救えると思ったのに・・・」「君は救えたと思うよ・・・少なくとも二人の心はね・・・」
「僕は先生を保健室に。」そういうと才英は銀城を抱え上げ、立ち上がった「ええ、また会いましょう・・・期待していますよ」そう言うと幻柳は風のように消えていた「不思議な人だ・・・」
翌日…
「どうだった?誠一君」
「最悪だ、刹那の一件はすべて誠二に一任された」
緊急に行われた会合から帰ってきた誠一が苦々しく答えた
「そんな…なぜ!?」
「刹那の今までしてきたこともさる事ながら誠二の奴、俺が日本を離れている間に一族の大半を自分側に引き込んでいやがった」
そう言うと椅子に腰掛けた
「唯一の目撃者でもある銀城先生も意識が回復するまでかなりの時間を要するし…」
しかも下手をすると事故に見せかけ暗殺すらされかねない
「今回ばかりは一族の力を頼るわけにもいかないし」
誠一が考え込んだ
「(一族の精鋭相手に勝てる奴…か)」