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香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園 105

「つまり『お前の中の俺』がお前を斬ったとしよう。そうすると脳は斬られた!錯覚し痛覚が働くわけだ。分かるか?」
誠一は試しに右腕を動かしてみた。激しい痛みは伴うものの、しっかり動く。骨などには全く以上はないようだ。しかも見た目にも異常はなかった。あるのは痛みだけ。
「五感にも影響があるとか言う割には、僕の腕は斬られたように見えないんだな?」
「まぁな。俺の『蒼剋眼』の欠点は相手は、自分自身の体は全く正常であるように見える事だからな」
「っさて、おしゃべりはこの位にしておくか…」
恭介がそういった途端、恭介は増えた。その数、五百人。
全て本物の五百人の恭介のうちの一人が言った。
「かかれ」
うおおおおおっ!五百人の恭介が一斉に誠一目がけて襲いかかる。
「っ来いっ!」

一人一人が強かった。それでも誠一は確実に恭介をさばいていった。
電撃、斬撃をフルに使い、獅子奮迅の如く、戦った。しかし、誠二の目には兄はただ一人で暴れているようにしか見えなかった。
「はぁ、はぁ…」三十分くらい戦っただろうか。
少なくとも二百人は斬っただろうが恭介の数は減ったようには見えなかった。
恭介の斬られ方は実に生々しく、鮮やかに飛び散った血は、地面を染めていた。
誠一は頭がおかしくなりそうな腐臭を感じ、体中にはぬめぬめした生暖かい液体を感じ取った。さらに斬撃を浴びた所からは痺れて痛いんだか痛くないんだか、よく分からないくらい痛かったが、そのくせ、誠一の体からは一滴の血も流れてはいなかった。
「流石・・・と言うべきかな・・・」
誠一は静かに微笑む。
誠一の笑顔は、男の時でも、野郎供を萌え狂わせる可愛らしい笑顔であるのだが、この時の笑みはそれとは違い、血の臭いのする壮絶な笑みであった。
その笑みを浮かべたまま誠一は静かに目を閉じる。
そして、無防備に腕を下げたのだ。
「観念したか・・・いや、違う!・・・」
無防備な誠一に近づこうとした恭介であったが、誠一の感じがあきらかに変わった事に、飛びのいて身構えたのだ。
その時、体育館の外の空が光り、ゴロゴロと音が鳴リ始めた。
続けて、パラパラと降り始めた雨が体育館の屋根を叩き始め、その音がどんどんと大きくなっていく。
「雨が・・・降り始めたか・・・」
「違うわ・・・降らせたのよ・・・この雨は鈴木家当主が本気になった証・・・いいものが見れるわよ」
夜栄の言葉に恭介は誠一を見る・・・無防備なのに、斬り付ける事ができない。圧倒されるような『気』が充満しているのだ。

誠一がすっと目を開ける。
その目が恭介と交差した時、恭介は血が逆流するような感覚に襲われた。
身体中の血が逆流し、全身から力が抜け、震えが止まらなくなってくる・・・久しく感じることの無かった感情、恐怖であった。
それと同時に心の奥底から笑みが零れ、恭介は身体を折り曲げ、狂ったように笑い出す。
(これ・・・これだっ!・・・俺が、求めてたものはっ!・・・命ぎりぎりの恐怖感!!・・・)狂ったように笑う恭介の目には、恍惚とした充実感があったのだ。
「修羅・・・なんだな・・・」
「お互い様さ・・・」
目の前にいる人間が、自分と同類・・・血に飢えた修羅である事を認識し、若干の悲哀の篭った目で恭介を見つめる誠一。
「この刀の銘は天之群雲の剣・・・持つべき者が持てば、風を呼び、雨を誘い、雷鳴を轟かせる剣・・・そして、その力は国津神の血を引き継ぎ・・・そして、熊野大社の守り神、家都御子神(けつみこのかみ)=須佐之男命(すさのおのみこと)より授けられた力・・・」
その古びた剣を構える誠一。
「その力・・・存分に味わうといい・・・」

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