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香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園 106

「しかしな、俺の『蒼剋眼』の力はまだお前は見切っていない。
大概の奴は自分の痛みに耐えさらなる攻撃を仕掛けてくる。そりゃそうだよな。脳から痛覚に働きかけてはいるが、実際身体的にはダメージを受けていない。ただ痛いだけで、内蔵が破壊されたり血が大量に流れたりしていないからな。お前も気づいているだろう?」誠一は無言で自身の体を見回す。
傷一つ無かった。「ん?傷一つ無いだと?」
傷一つ無い。つまりそれは本物の恭介(誠一の中では全員本物だが)は何もしていないと言うことになる。
「気付いたかな?これぞ『蒼剋眼』の最大の特徴。『相手は自分自分の体は正常に見える』ということだ」恭介は一旦目を閉じた。
すると恭介が一人になる。
術を解いたのだ。恭介が再び目を開けるとその眼は、普通の黒になっている。
「お前の体、もっぺん見てみ?」
「…!」
誠一の体は傷だらけだった。
「どうだ!俺の『お前の頭の中の俺』の攻撃により、俺自らの攻撃の痛みを隠し、無理をして戦った相手は自分の本当のダメージに気付かずに訳も分からず死んでいくのだ!
お前も血を流しすぎているな?あと2、3分もすれば意識を失うぜ!」
だが誠一は別段動揺することもなくこう言った。
「心配するな。あと1分で終わらせる」
「…!、っいいだろう!お前がどんな攻撃をしようが俺に当たることはない!お前が見る全ての俺は本物だ!この俺自身を見切り、攻撃を当てるのは不可能だからなぁ!」
恭介はそう叫び『蒼剋眼』を開いた。恭介が再び増える。その数千人以上。
「どうだ!どうだ!この数から俺自身に攻撃を当てるなんて、誰が出来るものか!」
その場にいる恭介全員が叫ぶ。
それでも誠一は全く動揺せず、こう言った。
「お前等全員を一撃で倒せばいいだけの話だろう?」
誠一は下段に剣を構え、力を貯めた。
剣からは電撃が迸り、青白い光を発する。
「熊野玄妙剣奥義、暴風刃!!」
誠一の剣が閃くと、風圧が暴風となり恭介達に襲い掛かる。
その暴風は只の風でない。風が鎌鼬を起こし、脳天を突き抜けるような電撃が恭介を襲った。
「ぐおぉぉぉぉっっっ!!・・・」
流石の恭介も吹き飛ばされ壁に思いっきり叩き伏せられる。
暴風の終わった後、体育館はガラスが全て割れ、壁もひび割れていた。
その威力を物語る一撃であった。
恭介も壁に叩きつけられ、動くこともできない。
誠一が近付いてくるのを見つめることしか出来なかった。
・・・これまでか。そう恭介が観念した瞬間、生徒会の生徒が体育館に駆け込んできたのだ。
『会長が帰ってきました!!』


・・・公元主姫の帰還で、学園は表面的に平静を取り戻した。
そのどちらもが主姫の動性を固唾を飲んで見守ったが、動きが無く2日が過ぎた。

「は〜あ・・・とりあえず次に備えるために、ここにいる一族に召集をかけてくれ・・・僕の部屋で『合議』する」
ここは食堂・・・溜息とともにそんな事を誠二に言ったのは、女の子になった誠一・・・こっちは正真正銘『萌える』方である。
不安定な生理の変わり目で大きな力を使った為、女の子に戻っていたのだ。
「ねぇ、参加させてよ・・・その合議に」
「駄目!・・・合議は一族だけの参加なんだ」
同じく食堂にいた才英が誠一にそう言うと、横から誠二が口を挟んだ。
誠一は才英を見ながら考え事をしていたが、おもむろに口を開いた。
「・・・いいよ」
「にっ!兄ちゃん!!・・・余所者だよ、彼っ!」
今度は兄に食って掛かる誠二だが、誠一は意に介さずに言った。
「才英君に居て貰った方がいいだろう・・・彼もどっぷり首まで突っ込んだんだしね」

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