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BLUE☆EYES
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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BLUE☆EYES 24

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「もぉ〜お姉ちゃん、さっきから変だよお」

「うっ…うん。…はぁ」

 思わず溜息が出る。何だったんだろう、さっきの事は。
 数美さんが僕に触れたとたん、言いようの無い高揚感が体の奥から湧き上がった。まるで
愛撫されているような、そんな感覚に囚われていたのだ。まだ体も熱い。

 目の前に特製のパフェが来ても、僕は頬を赤らめながら、下を向いていた。
 凛はムスっとしたままだが、目の前にきたボリューム感抜群のスペシャルパフェを食べ始めていた。

「はむっ…美味しい〜♪」
 満面な笑みで、特製ソースが掛かったパフェを美味しそうに食べている。
 今だにスプーンをとっていない僕に気がついたのか、凛が身を乗り出して話し掛けてきた。

「お姉ちゃんどうしたの?折角のパフェなのに」

「あ、うん。でも僕は…甘いのは嫌いなんだけど…」

「えー!?駄目だよ。さ、早く食べないと」

「あ、凛。ちょ、ちょっと・・・」

 凛は強引にスプーンを取って、端の方を掬っていた。一口味見だと言っては
スプーンを僕に持たせる。うーん、これ以上拒否するのも無理だよな(後で強迫されるのも困る)
 僕は恐る恐るスプーンに口をつけた。

「んっ…」

 甘味がすーと、口元を滑る。ぽわっとした食感に思わず…

「美味しい。これ…すごくいいよ」

「でしょでしょ。もぉ、お姉ちゃんってば、素直じゃないんだから」

 凛は、スプーンを持ったままはしゃいでいる。それにしてもなんて美味しいんだろ。
 元々僕は甘いのが大の苦手なのに、女になって味覚が変わったのだろうか。そう言えば女の子って
甘い物が好きだと聞いている。

 次々とふっくらとしたピンクの唇のもとへ優雅に運ばれていくパフェ。幸福感に潤んだ瞳。
 凛を含めた周りの人間が見惚れているのに、気が付かないくらいスプーンが動く。
 
 パフェを食べ終わった時、僕は思わず呟いてしまった。


「はぁ。幸せ…」

 さっきの事を忘れ、幸福感に包まれた僕の横に、いつのまにか1人の女の子が来ていた。その子は
上気した表情で、手には手紙のようなのを持っている。

「蘇芳 薫さん…ですよね?」

 突然、名前を呼ばれた僕は、きょとんとして、その女の子を見てみた。

「そうだけど…君は誰?僕に何の用なの?」

「お、お願いします!こ、これを受け取ってください!」
 
 見れば、差し出された女の子の手には真っ白な封筒が。
ハート型のシールで封をされた中身が何なのか、図らずも僕は理解出来てしまった。

「えっ?! ら、らぶれ、ラブレタぁー?!」

 僕が思わず張り上げてしまった声に、店内の注目が集まる。
女の子は口をつぐみ、顔を真っ赤にしながら頷いた。
 か、可愛いなぁ〜……って、そんな場合じゃないから!

「え、いや、う、受け取れないよ。
だって僕は……」

 僕は言いかけてハッとする。
僕は女の子だから。そんな事、例え今は真実であっても、認めて良いのだろうか?

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