BLUE☆EYES 23
何よりも驚くのは、その子がめちゃくちゃ可愛いい事だ。
整った顔に天使の輪が出来る程の長いロングヘアー、スタイルも服にばっちりで清楚な感じがする。 あれ?この雰囲気、前にも……
「綺麗な女の子だよなー」
そう呟くと、その女の子が気がついたのか、じーっと僕を見ている。そして僕のいる
席に近づいてくるではないか。彼女は愛想いい笑顔で僕に言った。
「うふっ、初めましてお嬢様。私、如月和美です。お嬢様のような、綺麗な女の子に出会えるなんて私って運がいいですね」
「あ、その…は、はじめまして。僕の名前は、蘇芳薫です」
「薫さんですか。いい名前ですね」
「は、はぁ…」
あの…そんなに僕を見つめないで。周りの女の子達が僕を見て…恥ずかしいな…
数美さんは僕のすぐ側に来ると、そっと耳元で言った。
「ふふっ。私、薫さんにとても興味があるの。お友達になってくれませんか?」
「ええっ!?」
突然の言葉に、僕は動揺した。いきなりの事で、頭が真っ白になってしまう。
固まっている僕の側で、凛がブラウスの裾を引っ張りながら横から声を掛けてきた。
「お姉ちゃん、すごいじゃん。カズっちと友達になるなんて。あーん羨ましいよぉ」
「で、でも凛。僕は…」
「いいじゃん。お姉ちゃんって遠慮しすぎ」
「そんな…」
正直困惑している。女の子からいきなりの申し出なんて…男の時だってなかったし。
数美さんは、そんな僕らの様子に…
「うふ、薫ちゃんって、妹さんとも仲がいいんですね」
「は、はぁ…」
「そうそう。これを…ねっ」
数美さんはエプロンのポケットから何かを取り出すと、にっこりと微笑みながら僕の手を取った。
「あっ!?」
どくんと心臓が飛び跳ねる。僕は思わず甘い吐息を出しそうになった。しだいに体が熱くなるのがわかる。まるで数美さんの視線が、僕の体を愛撫しているかのようにゾクゾクと快感が増す。じわりと股間に湿り気を感じ、思わず腿を擦り合わせた。
「もぉ。お姉ちゃん、何しているのよ?」
「え!?」
気が付いた時には、彼女はその場から去っていた。手にはなぜか彼女の名刺があったわけで。
横にいた凛がムスっと頬を膨らませながら僕を見ている。
「じゃぁね、薫ちゃん。メールをお待ちしてますねー」
こちらに笑顔を見せる数美さん。周りのお客に挨拶をしながら向こうに行ってしまった。
きゃあきゃあと周りの女の子達が騒いでいるが、力の抜けた僕は、その場に座り込んでしまった。