BLUE☆EYES 22
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ランジェリーショップを出た僕と凛は、近くのカフェに入る事にした。凛が言うには
パフェが美味しい店と評判の店だというんだけど…
メイド喫茶『フェアリー☆パラダイス』
メイド服の妖精の絵が、看板にある可愛い店のドアを開くと…
「いらっしゃいませー」
満面の笑みのメイドさんが、僕達を出迎えた。皆、僕を見るなり、頬を赤くしている。
何だか恥ずかしいな。
「お二人様ですね。ど、どうぞこちらです」
たどたどしい案内役のメイドさんが、僕達を窓側の席に案内した。
席に着くと、僕はしっかりとスカートの皺を伸ばし、両脚を揃えた女の子座りをする。内股ぎみな
のでミニスカートのフリルが腿に当たって…
凛はというと、先ほどのメイドさんにパフェの注文をしていた。
「じゃぁ、このスペシャル・パフェを2つね」
「あっ。り、凛、僕はそれじゃなくて…」
甘いのは、前から苦手なんだよな。これってものすごく甘いみたいだし…
ぎろりと凛が僕を睨む。うっ…こ、こわい。
「駄目です。お姉ちゃんも一緒に食べるの」
「ううっ…はい」
弱みを握られると何も言えない。トホホ…
「スペシャル・パフェがおふたつですね。ありがとうございます」
そう言って、注文を受け取ったメイドさんが急いでいく。やたら僕の方を見ていたけど。
「おおっ。やっぱお姉ちゃんって注目されるわね」
凛は、身を乗り出して、僕に話し掛けてきた。見ると確かに店にいるお客やメイドさん達が
チラチラと僕を見ている。
「や、やだな。恥ずかしいよ」
「あはは、それだけ薫お姉ちゃんが綺麗だって事よ。私だって憧れちゃう」
そ、そうかな。昨日までは男だったのに…そういえば、こうやってメイド喫茶
で凛と一緒に入った事はないよな。僕が女の子になって凛と姉妹になったからだろうか。
い、いや、今でも僕は男だと思っているけど。
「「「きゃぁ〜!カズミちゃーん」」」
突然、店の隅の方で黄色い歓声があがる。見ると店にいた客の女の子達が集まっていた。
「あ、もしかして……カズっちが来ているの?」
凛が席から立ち上がる。なんだよ、お前まで。
「ね、ねぇ、凛。カズっちって……」
「あれ、お姉ちゃん知らないの?ここのお店のマスコット・ガール、カズっち事、如月数美(きさらぎかずみ)ちゃんだよ。すっごく可愛いくて、ネットでも超有名なんだ。きゃぁ、ラッキー!あの子が
来ているなんて」
そ、そうなのか。全然知らなかったよ。凛は大喜びで、集まっている女の子達の輪に入っていく。
「どんな子だろうなー」
ぼんやりとその様子を観ていると、女の子達の輪の中から白いエプロンを着けたメイド姿の女の子が出てきた。白を基調としたメイド服に、ピンクのフリルのミニスカート、白のロングブーツ。