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月野うさぎとプリンスデマンド
官能リレー小説 - 二次創作

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月野うさぎとプリンスデマンド 68

「買い物して城に戻る」


『見張りを付けておかないと、わたしの元から逃げ出す』
「っっ、あたし……」
「また連れて来てやる。体調不良が続いている、城でゆっくり休むといい」
うさぎが泣き出しそうになる

デマンドがうさぎの元へ行き、うさぎを宥めようとする
「セレニティ」
「っ、なんでっ、いつもあたしの気持ちを無視するの?」
「セレニティ?」
「あたしはっ」

ボヌールが空気を読んで、部屋から去る

涙が溢れる
「あたしは人形じゃないっっ」
「何を言っている?」
「あたしの気持ちも聞かないで、いつも勝手に……っ、あたしはっ、ここでっ、もっとあなたと一緒に居たい、もっとあなたの事を知りたい!」
うさぎがデマンドに抱き付く

デマンドは先ほどの、うさぎが抱き付いてきた事を思い出す


「…あたし……、何処にもいかないからっ…もう、1人で抱え込まないで……。あたしのそばにいて……」
「……セレニティ…」
デマンドが戸惑いながら、うさぎを抱き締める


………わたしは、1人で思い詰めていたのか?
力で奪い取り、やっと手に入れた
この女を離したくなかった。
セレニティが妊娠した時も、子どもと一緒に逃げ出す事を恐れ、仮死状態にして、わたしの元においた。
眠ってさえいれば、わたしの元から逃げ出す事など出来やしないと考え、そしてアロンとマナを生ませた。
そして今、見張りを付けて、城に捕らえている。
決して、わたしから離れないように……。
わたしは、妃を捕らえて傍に置いていたのか……!?

「…セレニティ……」
絶対離さない。
わたしのものだ
「……すまなかった、力ずくで手に入れたおまえを失いたくなかった…。傍に居てほしかった……」
デマンドは強くうさぎを抱き締める



「………入院したときに思ったの。乳母さんもボヌールさんも優しくしてくれるけど、それは『あたし』に向けられたものじゃない。あの人たちにとって、あたしは『デマンドのお妃様』でしかない………」
みんなの無事と引き換えに妃になる事を承諾した。
だから、みんなに手出しをしないように、この人の言う通りにして来た。
でもデマンドが今求めているものは………。
あたしの心は……愛は……!

さっき、デマンドが女の子たちに囲まれてるのを見たとき、なんかイヤだった……
でもデマンドを愛してる、と言えない。
傍に居たから、情が移っただけかもしれない………


「デマンド、約束するわ。貴方から離れたりしないから……、もう少しだけ、あたしを自由にしてほしい」
うさぎは声を震わせながら、デマンドにしがみついて懇願した
「…………セレニティ…」
デマンドはうさぎを抱き締めたまま

多少なら自由にするのは構わないが、部屋から出せば、まだ彼女の命を狙う輩がいるかもしれん。
彼女を危険に晒したくない

「セレニティ、それは考えておこう。だが、体調不良が続いている。城に戻ろう」




「やだ! せっかく来たんだもん!もっと遊びたい!」
「……セレニティ…」
「もしかして、疲れてるの?? 疲れてるんなら、ここで待っててくれれば……」
「…………セレニティ」
これは、どう宥めてもムダだと悟る


「………わかった。だが、夕方には城に戻るぞ。城の者たちが心配する」
「…………わかったわ…。(本当はこのホテルに泊まりたいんだけどな……)」




コンコン
ドアをノックする音がする
ボヌール「失礼致します。この後の予定はお決まりでしょうか?」
ニッコリと微笑みながら尋ねるボヌール
「夕方までパークにいる。その後、城に戻る」
ボヌール「かしこまりました。このホテルはわたくしが処理致しますので、引き続きプリンセスとお楽しみ下さい」
そう言いボヌールが去って行く
部屋に残された、デマンドとうさぎ

デマンドが強くうさぎを抱き締める
「頼むから、あまり心配をさせないでくれ。おまえが倒れた時、入院した時、どれほど心配をしたか……」

「………ごめんなさい…」
うさぎもデマンドを抱き締める
「…デマンド、なんか変わったね」
「?」
「前は心配なんてしなかったもん」

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