戦争 18
昨夜の食事の時もそうだった。
「さあフェラード殿下。今日もお食事のレッスンを始めましょう」
「レッスンって・・・いつも通り塩味のスープにパンだけだろ?
こんなもんくらいでレッスンも何も・・・んんっ?」
半ばあきれながら反論している途中で、その唇がレヴィの人差し指によってふさがれた。
いつの間に距離を詰めたのか、すぐ目の前に寄せられた顔は美しく、何度見ても飽きることがない。
それにろくにシャワーも浴びれていないはずなのに、漂ってくるこのほのかに甘いニオイ・・・。
「・・・ッ!や、やめろっ!離れろっ!」
「きゃっ!?」
甘い芳香の存在に気づいた瞬間、アルア・・・否、フェラードはとっさにレヴィを突き飛ばした。
彼女の身体から危険なフェロモンが漂っていると理解したからだ。
2人の身体からは常に老若男女問わず誘惑する性フェロモンが放出されている。
おかげで常に股間のモノは勃起し続け、油断すると何もされていないのに射精させられてしまう。
死んだフェラードも2代目フェラードであるアルアも、そのことは十分理解しているはずなのに。
気が付くとそのことを忘れてしまっている。いや忘れさせられているのか?
いくら気を張っていても、2人はそれをあざ笑うかのように近づき、事あるごとに接触してくる。
実際、レヴィを突き飛ばして身の安全を確保したと思ったら、すでにミラが背後に回ってアルアを抱きしめていた。
「いけませんわ、フェラード殿下。あなたは王族なのです。
どんなときもエレガントにふるまわなければ。女性に乱暴を働くなど言語道断です」
「わ、わかった!わかったから、さっさと離れてくれっ!」
「ダメです。女性に暴力をふるった罰です。しばらくこうして私たちのフェロモンに慣れてください」
「あら、ミラばかりずるいです。私もご一緒させてくださいな♪」
アルアは必死に抵抗するが、護衛官2人相手ではどうしようもない。
そのまま射精するまで、服越しの胸や腹など女性特有のやわらかい感触を堪能させられた。
(くそっ、しかもあの時はしっかり下着を外してやがって・・・!
僕を誘惑する気満々じゃないかっ!)
アルアは口汚く2人をののしるが、彼女たちのイタズラはこれだけにとどまらない。
思い出すだけで射精しそうな誘惑の数々がアルアの脳裏によみがえった。