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戦争
官能リレー小説 - 戦争

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戦争 17

確かに戦場に比べれば、やること自体は簡単だ。
でもそれで成功させられるかと言われれば、答えはNOだ。
下っ端として戦場を走り回っていた僕に、交渉を成功させるだけの能力はない。
むしろそれで多くの仲間を死に追いやるようなことになる可能性のほうが高い。
やっぱり自分には無理だ。そう結論付けて断ろうとしたその時。
僕の口はミラの唇と舌によってふさがれていた。
一体何が?そう考えるより早く、彼女の身体から何とも言えない甘い香りが漂ってくる。
卓越したキスのテクニックとフェロモンの香りに、頭がだんだん働かなくなってくる。

「ダメですよ、フェラート様。私たちは一蓮托生。もうこうする以外、生きる道はないのです」
「そ・の・か・わ・り。言うことを聞いてくださるのなら、私たちがこの世の天国を見せて差し上げますわ。
 もちろん1回と言わず何度でも・・・♪」
「「私たちのお願い、お聞き届けてくださいますよね、殿下?」」

精を搾りすぎて腹上死させたという問題児2人の甘い誘惑。
そうこうしているうちに彼女たちは僕のズボンや上着から手を突っ込んで、すばらしい愛撫を堪能させてくれる。
毎日こんな思いができるならいいk・・・いやいや、ダメだダメだ!
うっかりYESと答えた日にはどんなろくでもないことになるか、想像もつかないぞ!?でも・・・。
理性と本能の中で、僕の心は激しく揺れ動く。
そして僕の出した結論は――――。

二人のクリトリスを思いっ切り摘んだ。

「ひにゃあ!」
「ひゃあっ!」

突然の事に二人は身体を反らせる。
その隙に僕は、二人から距離をとる。
危ない危ない、二人のペースに流されてセックスを始めたら、そこに転がってるフェラードの二の舞だ。
国で待つ妻子の為にも、そんな無様な死に方だけはしたくない。
でも二人を抱きたく無いか、と聞かれると否定しきれない所も確かにある。
どうにか命に関わらないよう、僕が主導権を握って出来る方法が無いか、考えてみるのもいいかも知れない。
まあ、そんな事は後ででいいとして、今はフェラードの代役だ。
やはり皆のためを思うと、影武者を務める他ないのかも知れない。

「……分かったよ、影武者を引き受けよう。
 但し君たちにも、しっかりサポートして貰うからね。
 それと、無理やり誘惑するのは禁止、いいね!!」
「ちぇっ、……はいはい、わかりましたー」
「仕方ないわね、……つまんないけど」

サポートよりも、誘惑禁止に露骨に不満を見せながら、二人は納得した。
こうして本物のフェラード・パズリはアルア・カートンとして埋葬され。
僕、アルア・カートンはフェラード・パズリとして生まれ変わることとなった。
しかし入れ替わるのはそこらの一般人ではない。王族だ。
彼に成り代わるのに足りないものは知識や教養、作法に身に着けるものに至るまで山ほどあった。
不幸中の幸いだったのはミラとレヴィの2人がやんごとない、貴族の出であったことだ。
初対面の時から言葉使いが気になっていたが、まさか貴族だったとは思わず、えらく驚かされた。
とにかくフェラード殿下として疑われない立ち居振る舞いを覚えるまで。僕はできる限り人との接触を避けることとなった。
なったのだが・・・その特訓は困難を極めた。
いや2人の教え方が厳しかったとか、覚えるのに手間がかかったとかそういうことではない。
むしろ親切丁寧で、できるまで根気強く、手取り足取りでやってくれた。
問題だったのはその手取り足取りだったということ。
2人は事あるごとに僕の身体に触れたり、密着させてくるのだ。
男を腹上死させるほどの特殊な色香を持つ、やっかい極まりないその身体を。
拒絶したくても一刻も早くフェラード殿下に成りすますためだと言われてはそうもいかない。
そう。2人は口でこそ誘惑しないことに同意したが、そんな気なんてさらさらなかったのだ。
ただ直接的なアプローチではらちが明かないと判断し、レッスンにかこつけて自分たち好みの男に仕立て上げようと路線変更しただけだった。
そのことに気づいた時にはもう手遅れだった。
僕の身体は2人のフェロモンによってすっかり昂ぶらされてしまっていたのだ。

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