ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 951
あれぇ?…香澄は澪さんがそういうことをしてるのも知っているのかな?
まあ墓穴を掘りそうなんであえては聞きませんけど;…
「戻って来たら内線で連絡くれるってさ…」
各部屋に内線が繋がっているなんて、ここはまるでホテルみたいだよね
「はぁい、待ってましょうね〜」
いや、誰に向けて言ってるんですか…
香澄がテレビのリモコンを操作し、電源を落とした。
「由乃さんの不安をなくさないといけませんね」
「まあ、そうだね…」
「匠さんのように全てうまくいくとは限りませんもの」
そう言われると僕は何の障害も無く皆に受け入れてもらえて本当によかったよな…
「やっぱり女ばかりだといろいろと大変なのかな?…」
男に比べて女はいろいろと複雑だからね。
「女ってことも無いんでしょうけど、この家にはお母様を慕っている人が多いから…それが心配だは」
それは澪さんも言ってたよな。
涼香さんのおかげでこのお屋敷に雇われ住み込みで働けるようになった人も多いっていうしね。
由乃さんがその人たちから受け入れてもらえるかどうか、そりゃ心配にはなる。
「和彦さんが皆さんに一声かければなんとかなるんじゃないの?」
「お父様とお母様は、あまりお互いのことに干渉しなかったというか…」
冷めた関係だったってことなんだろう…
もしかしたら和彦さんは、涼香さんと伊藤さんとのことをずっと前から気づいていたのかもしれないよな…
「でもまあ、吉乃さんもいい人だから…そんな人たちも彼女の良さを分かってくれるんじゃないかな?…」
「ええ…私は吉乃さんのこと応援するつもりよ…」