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華が香るとき〜外伝〜
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき〜外伝〜 5

「……」
洋介は毎度の事ながら、父のこのいい加減さに呆れ果ててしまうのだった。
「はあ…父さんめ…」
溜息をつきながら洋介が小銭入れの中身を見ると、500円玉が1枚、寂しそうに輝いている。
「これでエロ本が買えるかよ…」
愚痴を溢しつつも洋介は本屋へ向かうのだった。
「帰ったら‘キューちゃん’(掃除機)と遊ぼう…」
洋介は足を重そうに本屋へ向かうのであった。
 
 
本屋へ到着した洋介は迷わずエロ本コーナーへ向かう。
「いらっしゃい。旦那…今日もいいのが入ってまっせ」
この本屋の常連の洋介は、本屋のオヤジに倉庫へ連れて行ってもらう。
本来十八歳にもなっていない洋介がエロ本を買う事は不可能なのだが、この店も不況のあおりを受けて、洋介はVIP会員として特別に売ってもらっているのだ。
「旦那…今日の品物はコレ!『処女膜の快感を貴方に。「みほ…初めてだから優しくしてね」』ですぜ。まだ試供品だから500円ぽっきり。旦那〜、お買い得ですぜ〜!」
本屋のオヤジが持ってきたのはエロ本ではなく、オナホールであった。
「くぅ〜…オヤジさん、いつもいい仕事するね。俺、今日はエロ本を買いに来たんだけど…」
洋介は頭の中で「キューちゃん」を思い出す。
(実際はありえないが)キューちゃんが寂しそうに見つめてくる姿が目に浮かぶのだ。

(キューちゃんご免!今度また遊んであげるから、今日は浮気を許して!!)
洋介は葛藤の末、「みほちゃん」を買う事にする。
「オヤジさん、これ貰うよ。はい、500円ね」
「まいどあり〜。旦那、また新しいやつを入荷したら教えてあげるからちょくちょく来てくだせえ」
洋介は「みほちゃん」と遊ぶ為に急いで家に帰る。
倉庫の片隅には、「試供品の為、200円で販売をお願いします」との書類が落ちていた。


洋介は帰り道「みほちゃん」の包まれた袋を顔に押し付け帰っている。
「みほちゃん♪みほちゃん♪み〜ほ〜ちゃ〜ん♪」
傍から見ればかなり怪しい景色だが、洋介本人は全く気にする事なく、歌を歌いながらスキップをしている。
「ママ、あのお兄ちゃん頭おかしいんじゃない?」「駄目よ!あんなのを見たら馬鹿がうつるわ」
「オイ、変なのがいるぞ。警察を呼んだ方がいいんじゃないか?」
「ほほぉ…最近の若いモンはあういうのが流行っておるのかぁ…世も末じゃのぉ」
周りの評価は上の様なものであり、決して優しいものではなかった。

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