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華が香るとき〜外伝〜
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき〜外伝〜 39

「やっぱり死ね! アホ親父!」
先日とは別の洋介の必殺技、『ありえないほどファンタ自慰』(飛び上がって、両足の踵で相手の顔を蹴る技)が炸裂した。
「ぐふっ! 洋介……お前もいっぱしの家庭内暴力少年になったな」
「100パーセント、父さんのせいだよ」

かくして、後に『月倫高校アホの枢軸』と呼ばれる3人は集い、名実共に部活動はスタートを切った。
3人の話し合いの結果、部活の名前は『暇潰し同好会』と決まり、さらにくじ引きにより、貝丞が会長、洋介が副会長、福名が会計となった。
もっとも会計については、予算があって無きがごとしものであったため、有名無実であったが。
ともあれ、それ以降3人は、文字通り暇潰しのために、およそほのぼのとしたプロジェクトを実施していった。
あるときは、援助交際の噂のある教師に自白剤(貝丞が東欧某国の薬局から、二束三文で買い叩いてきた。)をしこたま射ち、事実を白状させた。
またあるときは、戯れにテストの平均点をいつもより上げてやろうと、不良達を廃工場に拉致監禁して、強制的に勉強させた。
普段なら問題になるところであるが、多数の教師が少女買春の容疑で逮捕投獄されたドサクサを突いたので、大丈夫だったのである。ちなみにテストの平均点は、百点満点でいつもは1ケタなのが、このときは20点を超えた。
地球が誇るアホのデパートである月倫高校で、かかる事態は未曽有のことであり、国会で問題となった。毎度のことながら、現場の状況などろくに調べようとしない国会議員達は、これを国家的凶事の前触れと見なすに至る。
すなわち、国費で神主と僧侶と神父とアフリカの呪い師が多数招かれ、大体的なお祓いが行われた。洋介達3人が、変装してその中に紛れ込み、ギャラを着服したことは言うまでもない。(着服したギャラは手を付けずに取っておき、後日外国で災害が起きたとき全額義捐金として送った。)
そんな穏当な部活動をしていたある日、突如3人は生徒会長の無茶振りで、他校との抗争を取り仕切ることになってしまった。結果は痛み分けで、洋介達は軽からぬ怪我を負ったのである。
3人とも一か月は入院が必要と診断された翌日、彼らは病院を脱走し、部室に雁首を揃えた。
「ご両人」
貝丞は、『大会長』と書かれた三角錐を置いた机に座り、別の机に座る洋介と福名に声をかけた。
「先日の結果は、誠に遺憾だ」
洋介と福名は、これに賛同の意を表した。貝丞はさらに続ける。
「俺達は速やかに、次の戦いの場を求め、勝利しなければならない。それも、並大抵の勝利では駄目だ。圧勝を必要としている」
洋介と福名はこれにも同意し、早速次のプロジェクトを検討し始めた。

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