PiPi's World 投稿小説

華が香るとき〜外伝〜
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 31
 33
の最後へ

華が香るとき〜外伝〜 33

「また生徒会の人ですか? 今度こそ病院送りにしますよ?」
見た目はそれほど気の強そうな感じではなかったが、どうして好戦的だった。どうやら洋介と貝丞を、営業妨害に来た生徒会の回し者だと思っているらしい。
(これは、誤解を解く必要があるな)
そう思った洋介は一歩前に進み出て名刺を取り出し、ガマ少年に手渡した。
「いえいえ。わたくし、こういう者でございます」

 日本総合自慰研究所 大所長 中村洋介

そう書かれた名刺を見て、ガマ少年は目を白黒させた。ちなみに研究所も役職も洋介が勝手に作ったものなので、どの辺が総合なのかとか聞いてはいけない。
それはそうと、名刺に目を落していたガマ少年は、顔を上げて洋介に質問を発した。
「自慰……つまりオナニーってことですよね?」
「いかにも。オナニーを愛し、極め、この世の全てをオナニーで包み込むのがこのわたくし、1年69組中村洋介のライフワークです」
「な、なるほど……」
「この一点をもってしても、我々が生徒会と無関係であることは自ずから明らかと言えます。我が校の生徒会が、そのような建設的な思考を受け入れない頭の固い組織であること、あなたならばよくご存じでしょう」
「ま、まあ、それは……」
巧みな話術で、洋介はガマ少年を丸め込んだ。(なお、月倫高校は1学年8クラスだが、クラス番号が飛び飛びになっており、最も大きい数字で4649組まで存在している。ここからもこの高校の頭の悪さをうかがい知ることができよう。)
「洋介、後は俺が」
「ああ。それじゃ頼む」
ここで選手交代となり、貝丞が前に進み出る。
「申し遅れました。自分は1年893組の玉波貝丞です」
「え? 1年の中村君と玉波君ってあの……」
「多分その中村と玉波です。お聞き及びの件は、新しく部活を立ち上げるためにやりました。で、あなたにもその部活に是非参加していただきたいと思いまして」
「へえ……で、どんな部活ですか?」
一般人なら間違いなくここで腰が引けそうなものだが、ガマ少年は平然としていた。やはり相当度胸が据わっているらしい。貝丞が返事を返す。
「簡単に言うと、一風変わったイベントやプロジェクトを立ち上げて、全員で参加して暇を潰そうという部活です。ですから具体的な活動内容は特に決めていません。とりあえず活動内容、殺人放火以外何でもありを標榜しようと思ってます」
「はあ、それはまた何とも……」
流石のガマ少年も、若干引き気味になる。それに構わず、貝丞は言葉を続けた。
「この部活に必要なのは、言うまでもなく部員が個性豊かであることです」
「そ、そうかも知れませんね……」

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す