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華が香るとき〜外伝〜
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華が香るとき〜外伝〜 11

「ああ、俺だ」
因みに息子の方は桜の了解を得る事なく電話に出ている。
…………
「何っ!?それは本当かっ!?」
息子は電話の相手からの話を聞いて顔を真っ青にする。
「…………
ははっ… いや、大丈夫だ。俺には親父がいるからな。今から親父に相談するから心配するな!また連絡を掛ける」
息子は電話の相手にはこうは言ったものの、ショックが大きい様で、うつむいて考え込む。

その頃社長も電話の相手と話し込んでいた。
「…………」
社長は黙って話を聞いているが、時間が経つにつれて顔色が悪くなっていく。
「…………そうか……ああ……分かっている…もういい…もういいんだ…」
ガタッ!
話が終わり、社長は力を無くし携帯を床に落としてしまう。
電話の時間は5分程。
その間に社長は30歳程年を取った様に老けていた。
「親父、相談があるんだけど…」
社長の話の内容を知らない息子は社長に何があったか、いや社長の状態など考えずに社長に話し掛ける。
「親父…俺、ちょっとヘマをして大金が必要になったんだ…悪いけど出してくれないか…?」
「幾らだ?それに何をしたんだ?」
「実は俺…いい女を見ると支配したくなるんだ……それでつい……500人程…」
「幾らなんだ?」
「分からない…多分億はいくと思う…」
息子は表向きは落胆しているが、社長に見えない角度の表情は、社長に助けて貰える自信があるのでほくそ笑んでいる。
「…そんな金は出せん。一円たりとももう金は無いんだ…」
「何でだよっ!?俺は親父の息子だぞ?息子の俺が頼んでいるんだから、助けてくれてもいいじゃないか!?」
社長の言葉に息子は逆ギレする。
バシンッ!!
そんな息子に社長は初めて息子を殴るのである。
「お前にも教えてやろう。
この一時間で我が社の株価が十分の一になった。我が社が脱税、汚職、談合、他社への不正攻撃…
余程の事が無い限り、一気に外に知られる事が無い汚点が一時間で市場に出回ったのだ。
そして…我が社と提携を結んでいる企業、我が社と取引きのある企業、そね全てから契約の打ち切りを申し出された様だ。
銀行にも融資を打ち切られ、5000億という負債の返済を今日中にする様に言われたのだ。
普通には一時間という短時間では考えられん事だが、これは事実らしい。
我が社はもうおしまいだ。
どうあがいてもそんな大金は払えん。
それに恐らく今日中には警察も動くだろう。
お前のそんな馬鹿な話は聞いてやれんのだ…」
社長はそう言ったきり黙り込んでしまう。
息子は会社の事より、親父からの援助が得られないと分かり落胆してしまう。
「あの…何かあったのでしょうか…?」
桜は真相の全てを知っているし、話は全て聞いていたのだが、白々しく心配そうに二人に尋ねる。
「何があったかは存じませんが、お料理も冷めますし、気分転換にお酒でも飲みませんか?」

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