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【ロケットパンチを君の胸に♪】
【コメディ その他小説】

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【ロケットパンチを君の胸に♪】〔第三部・最終編〕-4

──同時刻、戦慄地球防衛軍の近くの道路に、一台の送迎バスが停車していた。バスの側面には[居酒屋・悪の花道]と、書かれている。

 バスの中には、ゴテゴテした金属片のコスチュームを着けた…チョコパフェ生徒会長がいて、携帯電話をいじくって遊んでいた。

 やがて、お揃いのスタジアム・ジャンパーを着て、アポロ・キャップを被った、数人の人物がドカドカと送迎バスの中に入ってきた。
 全員が腕に[報道]と、印刷された腕章をしている。
「どう…侵入できた?」
 チョコパフェ生徒会長が、先頭の人物に尋ねる。
「はいっ…なんだか知りませんけれど…言われた通り行列に並んでいたら、簡単に基地に入れましたよ」
 と、言って脱いだ帽子の下から、クマの顔が現れた──フェアリー☆テールの非戦闘怪人、報道班の月ノ輪クマさんだ。

 クマさんに続いて入ってきた、マイク係やカメラ機材担当の戦闘要員たちも、アポロ・キャップを脱いで覆面を晒す〔さらす〕。
「そっ…で、連中に拉致された鈴美の知り合いの消息はわかった?」
「はいっ…親切なラーメンさんに、涼華って人と、翔って中学生がどこにいるのか聞いたら、教えてくれました…翔って男の子は、秘密事項だから教えられないって言っていましたけれど…」

 クマさんは、持ってきた円筒形のジュラルミン・ケースを、チョコパフェ生徒会長の足元に置いた。
「涼華って人の方なら…ここにいるって言って、ワザワザその人のいる場所まで案内してくれて…部屋の中から、コレだって持ってきて、渡されたんです…親切な人でした」
「ふ〜ん、腕章の効力はすごいわね…報道関係者には、手を出さない取り決めが、悪と正義の間でされているから…」
 チョコパフェ生徒会長は、ジュラルミンのケースを取り上げた。
「これが、鈴美の姉?ずいぶん小さい人なのね…」

「チョコパフェ生徒会長さんって、内心は鈴美さんのコトを心配しているんですね」
 スタジアム・ジャンパーを脱ぎながら、クマさんが言った。
「ふんッ、誤解しないで…あたしは、ペパーミントの奴に頼まれたから、あんたについて来てやっただけよ」

 チョコパフェ生徒会長は、ジュラルミンのケースを開けて…中を覗き込み、顔を曇らせた。
「なにコレ…ま、いいわ…これでも、鈴美の姉を保護したことに、代わりはないから…」
 そう呟いて、チョコパフェ生徒会長はペパーミント伯爵に携帯のメールを使って、報告した。

 そして、いよいよ戦慄地球防衛軍がフェアリー☆テールの名を使って、テーマ・パーク【東京・寝ずにぃ〜ランド】と、隣設する【シー坊主パラダイス】の襲撃予告をした日がやって来た。

 【東京・寝ずにぃ〜ランド】と【シー坊主パラダイス】…それは、坊主たちが経営する一大テーマ・パークだ。

 坊主が一人づつ、隣に乗り込み…ジェット・コースターで落下の最中…説教を続ける『説教マシン』

 深夜…ロウソクの灯りを持った千人の坊主が、念仏を唱えながら行進する『えれぇ〜くれぇ所でパレード』

 海パン姿の坊主たちが、プールでイルカやシャチのごとく水中からジャンプして芸をする…【シー坊主パラダイス】の『水中坊主ショー』や。

 狂暴な坊主が海中から出現して、船や人を襲う人気映画のワンシーンを再現した『BOUZU』…などのアトラクションが人気だ。

 ちなみに【寝ずにぃ〜ランド】と、言うネーミングは、寝る間も忘れて来客者が遊び回れるような楽しいテーマ・パークにしようと…坊主たちが、考えた名前だ。


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