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【ロケットパンチを君の胸に♪】
【コメディ その他小説】

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【ロケットパンチを君の胸に♪】〔第三部・最終編〕-5

「来るかしらね…」
 テーマ・パークの外で、戦慄地球防衛軍【紅い幻魔団】を迎え撃つ、鈴美が隣に立つ怪奇・クモ女に聞いた。
「来ますよゥ…嘘つきは、悪人のはじまりですから」
 一足先にテーマ・パーク内で遊んできた、クモ女はお土産で買ってきた。坊主頭の帽子を被り…お菓子をモグモグ食べながら返答する。

 鈴美…怪奇・クモ女…戦闘要員へ組二十名…それと非戦闘怪人で記録を担当するクマさん…どこかに身を潜めているはずの巨獣・ミルフィーユ…これが、今回の迎撃メンバーだった。

(でも、テーマ・パークを破壊するって、どんな手で来るのかしら?ミサイルでも撃ってきたら、ひとたまりもないけど)

 鈴美が、そんなコトを考えた次の瞬間だった…突然、【東京・寝ずにぃ〜ランド】近くの海が盛り上がり…巨大なカッパの皿のような物が、海中から浮上した!?

「戦慄地球防衛軍の海中移動要塞!『クラーケン・κ〔カッパ〕』!」
 戦闘要員の一人が、思わず叫ぶ。皿のような部分が左右に開き…中から、黒い物体が射出された!?

ドシーン!ゴロゴロ!

「???」
 黒い物体と、そこにしがみついた、巨大なフンコロガシが、地響きをたてて落下する。
 フンコロガシの背中には[フェアリー☆テール専用怪獣]の文字が見える。
 フンコロガシは、後ろ脚で、球体を転がしながら…猛スピードで鈴美たちに向かって、突進してきた。

コロコロコロ…グシャン…グシャン!

 球体は、転がるたびに周辺の物を巻き込み…大きくなっていく。
「まさか、アレをテーマ・パークにぶつけるつもりなんじゃ…」
 鈴美が、呟く。
「みたいですね…でも、あの程度の怪獣じゃ、あたしたちの敵じゃないですぅ…ミルフィーユ!」

ピキィィーン!!

 リス怪獣のミルフィーユが球体の前に跳び出した。

「ミルフィーユ!火炎放射!!」

ピ、ピキィィーン!

 火を吹くリス怪獣…一瞬にして、球体とフンコロガシが炎に包まれた。周囲に、虫の焼ける異臭が漂う…フンコロガシは…弱かった。
「よ、弱すぎる…」
 鈴美は、呆然と炎の中で焼け崩れていく、フンコロガシを眺めた。

「あっ、と言う間に終わっちゃいましたね」
 クモ女が、言った。
その時…への二十番、龍彦が空の彼方を指差して叫んだ。
「十一時の方角から、高速の飛行物体が三機…接近中!」
「えっ!?」
 見上げた鈴美の目に、巨大な女性型ロボットと…その後ろから飛んでくる、黒い人型ロボットと犬型ロボットが見えた。

「あの、黒いロボットは!あたし知っている!」
 それは、ミルフィーユと戦っていたロボットだった。


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