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続・聖夜
【その他 官能小説】

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続・聖夜(後編)-2

あの日、教会の地下室で全裸のからだを神父の前に晒したとき、私は、母麗子の亡霊に怯える彼
に、荒々しく犯されたいとさえ思っていたのだ。


そして、私はあの神父が手にする鞭を裸の背中に受けた…。

鋭い鞭の音とともに、私の中を突き抜けていったものは、いったい何だったのだろうか…。
嗚咽を洩らし、その苦痛に耐えながらも、私は、不倫の恋に傷ついた自分を卑下し、あまりに
眩しい母の心の輝きを遮り、鞭を振り上げた神父の怯えた瞳を侮蔑したのだ。


いや…

私は、その先にゆらゆらと浮遊する、愛という虚妄に踊らされるもののすべてを軽蔑し、嘲笑っ
ていた。そして、悪魔の囁きのような鞭の痛みの快感は、私の心とからだをいびつな形の性へと
溺れさせようとしていたのだった…。


でも…

あのクリスマス・イブの夜、老院長に誘われて見ることができたオーロラは、私が引きずり込ま
れようとしていた悪魔の呪縛を解き放つように拭い去ってくれた…。

天の果てから放たれた瑞々しい光の情景は、優しく私を包み込み、どこまでも澄みきった甘美な
光で私の心を充たしていった。


そして、その後、私の病気は短期間のあいだに急速に回復し、精神的にも安定した、もとの生活
を取り戻すことができるようになったのだった。

あの神父は、私の背中に鞭を振り下ろしたあの日を最後に、二度と私の前に姿を見せることはな
かった…。




あれは、私がサナトリウムを退院して、三年目のことだった。

サナトリウムの老院長からの突然の電話だった…。老院長は、あの神父がイタリア中部の街で死
んだことを告げた。

私はふと、あの神父が死んだというイタリアの街を訪れたいと思った。私の父であって、父と思
うことができなかった神父の墓碑を訪れることを、死んだ母がどこか切なく望んでいるような気
がしたのだ。

そして、老院長は、私の短いイタリアへの旅を快く勧めてくれたのだった。



私が訪れたその街は、ローマから北へ列車で二時間ほどかかるところにあった。
ウンブリアの美しい田園風景に囲まれたなだらかな丘陵の頂にそびえ立つその街は、抜けるよう
な青い空に抱かれていた。
中世に建てられたという石造りの荘厳な教会と修道院の建物で囲まれた城塞のような街の中は、
まるで数百年もの過去に後戻りしたような静寂に包まれていた。



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