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Odeurs de la pêche <桃の匂い>
【同性愛♀ 官能小説】

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続編/律子その後-2

 律子は翔子の流す蜜を啜ると、我知らず片方の手は自分の股間に伸びていた。
 美しい翔子のソコから滲み出る透明な蜜……律子は啜ってみて、初めて翔子のソコの匂いの正体を知ったのだった。ああ……汚れているはずの翔子のソコでさえも、いつもこの匂いがした。律子の大好きな<お姉ちゃんの匂い>だった。
 <桃の匂い>。それを、そのまま言いたくなくて、思わず <Le miel coule de votre trou est odeur d'une pêche >とフランス語で言ってしまった。その自分が発したフランス語が、ミニョンを失った時の翔子の傷心を蘇らせてしまったのかも知れない。
 律子は自分を責めながら、やはり翔子の叫びも忘れられなかった。
<リッコの舌で雲の上に行きたいのよ。リッコの蜜を吸いながら、リッコと一緒に天国へ行きたいのよ。でも……この身体が……そこまで来てるのに行けないのよ。何も出てきやしない……だから悔しいの……>
 翔子の嘆き。快感を得られないもどかしさ。<あれは聞かなかったことにして>と言われても。翔子の叫びは今でも耳に痛く響いてくる。あれは、ミニョンを失ったショックの大きさが招いた心因性の麻痺だったのは間違いないだろう。それが、ミニョンとの再会のキスで一瞬にして蘇ったのは、それを証明するものだった。翔子が書いた<眠れる森の美女が王子のキスで蘇るように、ミニョンの唾液で生き返った>おとぎ話は、やはり事実としてあったのだと信じないわけにはいかなかった。

 翔子によって開かれた律子の官能の扉は、翔子を想うたびに妖しく開閉し、エンジンの振動が律子の身体を苛んで、じっとりと下着を湿らせていくのだった。眠れぬままに、目蓋の裏で翔子との日々が鮮やかな映像となって流れていく……。
「眠れないんだね」鴻作が聞いた。
「眠れるもんですか。私も死んでしまいたい……お姉ちゃんが恋しい……」
「翔子は、魂の半分でもいい。律子の中で生き続ける、と言っているじゃないか。信じてやれ。律子の中に翔子がいるんだよ」
「泣かせないでよ。分かっているんだけど……やっぱり私はお姉ちゃんの匂いが欲しい……」
「…………」
「お姉ちゃんはね、初めて大学の教授室の前で会ったとき、同時にドアノブを回して私とぶつかったのよ。これって運命だと思った。この世の人とは思えない美しいオヒメサマと下女の出会い……。私は全身が痺れて動けなかった。もう、その足でお姉ちゃんの部屋のブザーを押してしまったくらいなのよ。そんな人に愛されて、私は、自分でも信じられない女にして頂いたのよ」
「…………」
「耕作さん……あのお姉ちゃんから想像できる? オシッコとかウンコするなんて。私、いまだに信じられない時があるのよ。お姉ちゃんの告白を読んだ耕作さんだから、今更隠すことないから言うけど……私がそんなお姉ちゃんに抱かれて幸せの絶頂にいたなんてことさえ、今は夢だったような気がするの、でも、私の身体が……はっきりと覚えている……」
「そうか。私には分からんが、律子だって、見る人が見ればこの世の人かと疑いたくなるほど綺麗だよ」
「ウソ。私なんか、お姉ちゃんに比べたら大輪の花と雑草くらい違うわよ」
「しかし、仮に雑草だとして、可憐さにおいては種類が違うだけで美しさの質は見方の違いだけだぜ。翔子がね、律子が可愛くてしかたがなかったのは、律子の綺麗さが自分とは違う可憐さを持っているからだよ。翔子はたしかに、女優だのモデルだの、一般的な美人とは違う。大げさに言えば、神々しいとさえ感じることがあった。だから、たとえスカウトされて女優になったとしても、人間を演じることはできないだろう。それが、人間らしく見られなかった不具感になっていて、人の目を忌避するようになっていったんだと思うね。律子のように、人間的で、しかも綺麗で可愛いというところが、翔子にとっては堪らない魅力だったんだよ」
「耕作さんは、ご自分の娘のように思ってらしたかも知れないけど、男の目でお姉ちゃんをご覧になったことはないの?」
「ないねェ……男は翔子に近付けないだろう……と思う」
「どうして?」
「男はね、誤解するなよ。律子のような可愛さ、というか、生きている色気にはすぐになびくよ。しかし翔子は、美しいとは思っても、絵を鑑賞しているような気分になる、というか、自分が抱いたら、この女はどのような乱れ方をするだろうか、というような生な想像ができないんだな、きっと。」
「私が、お姉ちゃんに聞かれて、お姉ちゃんの魅力を答えたところ、お読みになったでしょ?」
「うん。読んだ。律子はうまいこと言っていると思ったよ」
「あれって、正しいと思う?」
「思うよ。女性の目から見ると、翔子は自分の手が届かないまでも、同一線上にある、という意味だね。よく言えてたよ。しかし、男の場合の見方は違う方向から見ているからね。例えば私なんかは、やはり、具体的な想像をしてしまうね。例えば……まあ、言わなくても分かると思うが……翔子は、そんな考えを起こさせる前に、美しい絵を鑑賞していたい気分で終わりそうな気がしていたね。私はね、翔子は、画家だった恭孝が、悪魔的な美貌の妻珠子を理想化して描いた女性が実在化した姿じゃないかと思ったことがある。まあ、一種の動く絵……かな。それが翔子を哀れに思っていたところなんだよ」
「哀れ……ですか……?」


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