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Odeurs de la pêche <桃の匂い>
【同性愛♀ 官能小説】

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第5章  プロヴァンスへ-8

 私は、父の手紙から想像していただけでした。目の前に見るミニョンの身体の、想像を絶する痛み、苦しみが、今、自分を襲っているかのように、私の身体が痛みました。ショックというより、母に対する憎しみがこみ上げてくるだけでした。私は……自分を覆っていた官能の疼きを忘れ、泣きながらミニョンの無くなってしまった乳房から、脚の爪先まで唇を這わせました。そして、穴だけになってしまった、かつての私の大好きだったミニョンのソコに唇を押しつけ、いたわりを込めてキスをしました。そうしている間にも、ミニョンのソコからは透明の蜜だけは溢れてくるのでした。
 <ああ……ミニョンの泉だけは涸れていなかった……>
 私は狂ったようにキスをし、ミニョンの蜜を音を立てて吸いました。
「こんな身体になっても、ショコは私を愛してくれるの……?」
「ミニョンはミニョンだもの……何も変わるわけがないわ。おいしい……愛しい人の甘い蜜」
 小さく囁きながら、蜜が流れるままに飲み干そうと、いつまでもそこから唇を離しませんでした。
 ミニョンも、私の全身にキスをし、今はもう、止めどなく溢れ出る私の蜜を飲み、ミニョンの舌と指は、私の内部で動き回り、狂わんばかりの官能の喜びを与えてくれるのでした。
「Le parfum du miel de Shoko n'a pas changé avec les temps anciens. Cela odeurs de la pêche(ショコの蜜の香りは昔と変わっていないわ)」
 たとえ美しかった乳房が消え、真珠や襞が無くなくなってしまったからといって、ミニョンには変わりはないのです。廃人となって過ごした10数年の歳月を飛び越えて、私は、昨日の続きを楽しんでいるように、果てしなく雲の上で漂っておりました。
 
「私はショコのママを恨んでいないわ。全て私の罪なのよ。私を治療してくれたお医者さんが言ったの。君が望むなら、全力で君の感覚を回復してみせるって。でも私は断ったの。もう、ショコさえも私に触れることはないんですもの。偽物の形や感覚を取り戻せたとしても、私はもうショコの愛は取り戻せない……自分で罪を認めた以上、このままを受け入れようと思ったの。でも、女性としての入り口は塞がれてしまったけれど、中の方までは及んでいなかったそうなの。だから、生理はちゃんとくるのよ。だけど、醜くなってしまったココは、もうショコの目に触れることはない、と思っていたのに。ショコは何も言わずに愛してくれたのね。私も、さっきまでのショコのように、オッパイもココも、何も感じないけど、このようにショコに飲んでもらえるほど蜜が溢れるなんて……。心でショコの愛を感じるからよ」
「ミニョン……なにが醜いもんですか。そして、ミニョンに何の罪があるっていうのよ。母は母なりにミニョンを愛していたかも知れないけど、それは、ミニョンの罪じゃない。私も、ミニョンを愛した罰を受けたと思っていたけど、罰じゃない。ミニョンと私の愛に嫉妬した神さまか誰かが、その愛の深さを確かめたのよ。もしそれが罪だというのなら、今日でもう許されたんじゃないかしら……」
「そんなことを言ってくれるの……ああ……ショコ……片時もショコのことは忘れたことはなかった。あと一度でいいからショコに逢いたい。私のお祈りは、エス様にではなく、ショコに捧げていたのよ」


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