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Odeurs de la pêche <桃の匂い>
【同性愛♀ 官能小説】

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第4章 展開-12

 本当に律子は清潔好きでした。自分で掃除するのも好きなようで、毎朝お掃除に来てくれていた家政婦を断ってしまったほどです。シャワーなどは、朝晩、多いときには一日に3・4度使うことがあるのです。<あまり石鹸は使わない方がいいわよ>と言うのですが、石鹸の匂いは律子の匂いでした。それを思うと、私って不潔だなあ、と思うことがあります。そんな私の体中に舌を這わせる律子は、私が好きだからというだけではなく、自分の清潔さを私の身体にも反映させているのではないかと、少しばかり律子に申し訳ないような気になったりしました。
「翔子……臭くない?」とある時律子に聞いてみました。
「臭いって……ココのこと?」
「ソコもだけど、翔子の身体……」
「…………」
「臭いのね……翔子ってダメネ、最近特に何もかもが面倒くさくなっちゃって」
「臭くなんかないわ! 私……お姉ちゃんの髪の中から足の匂いまで……ぜぇーんぶ好きよ」
「不潔だと思わない? だってリッコはいつも清潔なのに、翔子は……」
「私……お姉ちゃんに嫌われたらいけないって思ってるだけ」
「リッコの身体はいつも綺麗ね。長野の綺麗な空気の中で育ったからなのね」
「お姉ちゃん、自分で不潔って言うけど、なぜいつもお風呂上がりみたいに綺麗なのかしら。私、お姉ちゃんのペースに合わせていたら多分薄汚れていくんじゃないか、って心配になるわ」
「翔子はね、綺麗だって言われてもあまりうれしく感じないのよ。やっぱり自分の無精なことを知っているからでしょうけど。もし、リッコが翔子の肌が綺麗というなら、それ、多分無精のせいよ。なぜ……? わからないけど、言い訳よ」
「おねえちゃんて、シャワーの後なんかいつも裸のままで動き回っているでしょ?」
「小さいときからのクセなのね。一人の時は殆ど表にも出たくないし、一日中裸のままいることがあるわ。リッコは、翔子のだらしないの、いや?」
「んんン。最初の頃は私の方が恥ずかしかったけど……お姉ちゃんの裸見てるの好きだから。多分それがいいのかも知れないわ。それに……私ね、お姉ちゃんのココの匂い大好きなの。ココの皮を剥くと、時々白いチーズが付いているけど、私は、お姉ちゃんのチーズだって平気よ……でも不思議ね」
「なにが?」
「だって私、妹は可愛くて好きよ、でも、鼻水たらしていると<汚いわねえ>なんて言ってしまうのに、お姉ちゃんなら何でも受け入れられるっていうのは、好きって感情にどういう違いがあるのかって考えてしまったことがあるわ」

 私は美しいのかも知れない、と思った時もありました。でも、律子の清潔さに比べると、私は、どちらかといえば日常生活はだらしがないと認めています。ミニョンがいた頃は朝風呂を使うのが週間でしたが、一人暮らしをするようになってからは私本来の無精な性格が出たのでしょうか。お風呂やシャワーも1週間くらい入らなくても平気でした。もちろんビデは使いますし、パンティーだけは頻繁に代える習慣は変わってはいませんでしたけれど、洗濯するのは機械がやってくれる仕事なので、それで自分が清潔好きとは言えませんものね。
 私の無精さ加減は年々酷くなっていくようでした。ただ、言い訳をすると、律子の汗の匂いが確かにいい香りがするようになったように、これは多分、母が<身体の中から綺麗にする>という考え方から編み出した食事療法のせいではないかと思うのです。母は、自分が美しくありたいために、食事だけは必ず自分で料理しており、私にも素材、特にハーブ系と野菜の種類と応用の仕方を沢山教えてくれていました。ただそれしか知らないので、それを日課としているだけで、外食とか珍しい料理にもあまり興味が湧かないのです。もし私の身体の匂いが悪くないとすればそれしか考えられませんでした。とはいえ、律子はそういってくれるものの、少しは律子のために清潔にしようと思ったのは、私の進歩でした。

 律子は、悩みがなくなって、私との生活が安定してくると、とても社交的な子でした。本来の性質を解決できない悩みが覆い隠していたのでしょう。
 律子は中堅のアパレル関係の会社に就職して毎日出勤するようになりました。
 律子は私同様に化粧をしませんでしたが、出社時に軽く口紅を塗るのを洗面所で済ませているのを見て、律子のために大きなドレッサーを買いました。私には必要がなくても、律子は会社員ですから、毎朝の身だしなみのためにも洗面所では可哀想だと思ったのです。案の定、そのドレッサーが部屋に入ると大喜びでした。そして、鏡に向かって髪を整えたり口紅を塗る律子は、見とれるような女性らしい姿態を見せてくれるのでした。ドレッサーが入っただけで、殺風景だった部屋が一挙に女性の部屋らしくなり、ああ、律子は何の不平も言わなかったけれど、実は殺風景な部屋で我慢をしていたかも知れない。自分好みの雰囲気の部屋にしたかったのかも知れないと、あらためて気付かされたのです。そういえば、初めてこの部屋にきた時、<シンプルなんですね>といった言葉は、狭いなりの自分の部屋と比べての感想だったのでしょう。手持ちの小物なども、女性が好みそうなエレガントな物だったのですから。私は自分の無頓着さを反省し、律子が自分らしさを感じながら暮らしていると実感できるように、部屋の模様替えを律子に任せることにしました。
 見違えるように優しさの溢れる女性らしい部屋になってみると、私も女性ですから、柔らかな色調の中で律子と戯れるのは新鮮な喜びを与えてくれました。
 部屋の居心地が良くなると、以前にも増して部屋を出なくなってしまった私のために、と考えているのか、時折女性の同僚を連れてきたり、無理矢理外出に引っ張り出されたりしました。


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