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『あるM女の告白』
【SM 官能小説】

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第3部 ご主人様への飛翔-4

4.確かな親子の絆

その夜、夕食の後片付けが終わると、大事な話があるといわれ、リビングで父と母の前に座りました。

「麗ちゃん、パパとママが亡くなったことについて、心の整理がついたようだね。よかった。よかった」
父がニコニコしながら、話し始めました。
「はい、長い間、心配掛けてすみませんでした」
私は、そういって頭を下げました。

「いや、まだ小さかったのにあんなに悲しい目にあったんだから、立ち直るの
にはうんと時間がかかるよ。
でも、よく乗り越えてくれたねぇ。さすがは麗ちゃんだと思うよ」
「いいえ、パパとママが夢に出てきてくれて、死んでしまってからもずーっと私を守ってきてくれたことがわかったら、パパとママのことを冷静に考えることができるようになったし、おばあちゃんの部屋にも行けるようになったんです。
だから、パパとママのお蔭です」

「うーん、そうだねえ。そうかもしれないねえ。
ところで、今日麗ちゃんに話しておきたいのは、パパとママが麗ちゃんに残していったもののことなんだ。
パパとママが残していったのは、パパの会社とこの家と土地と、家具や衣類など身の回りのもの一切だ」
「はい」

「そのうち会社だけは、私が引き継がなければならないから私の名義にさせてもらったけど、家と土地は麗ちゃんの名義になっている。
だから法律上は、私たちは今麗ちゃんの家と土地に住まわせてもらってることになる」
「えーっ、そんな!どうしてお父さんの名義にしないんですか?」

「そんなことはできないよ。正当な相続人は麗ちゃんただ一人なんだし、私は麗ちゃんのパパにお世話になったんですごく恩義を感じているから、 預かっておくことだけしかできないんだ。
でも、家と土地のことは、今どうこうする必要がないから当分このままで、麗ちゃんが成人してから話し合ってどうするか決めたいと思うんだけど、それでいいかな?」
「はい」

「よし、それで後は、家具や身の回りのもの一切だけど、麗ちゃんも知ってる
ように、今度麗ちゃんの部屋になる元のおばあちゃんの部屋の隣の部屋に、全部そのまま運んで置いてある。
思い出深い大事なものがいっぱいあるだろうから、それをどうするかは、いずれ麗ちゃんが判断して決めなさい。
もちろん手助けが必要なときは、いつでも手伝うよ。なあ?」
父は母を見やりました。
「そうよ。今度は隣の部屋になるんだし、いつでも見に行って、使いたいものがあったら自由に使いなさい。
そうすれば、きっとパパもママも喜んでくれるわよ。
相談したいことができたら、いつでもいってね」

ここまで読んでいただければわかるとおもいますが、父はすごく律儀で誠実な人です。
母も同じです。
それは、これまでも分かっているつもりでしたが、このとき改めてそれを感じました。
「お父さん、お母さん、ありがとうございます。
私のために本当にいろいろよくしてくださって、すごく感謝しています。
私、お父さんとお母さんの養子にしてもらえて、すごく嬉しいです」
と、私は心からお礼をいいました。

「麗ちゃん、ありがとう。そういってもらえると、一番嬉しいな」
「そうよ。麗ちゃんはいい子だから、叱るようなことは今後もほとんどないと思うけど、これからはもっと甘えてね。遠慮されたりすると、すごく寂しいわ」
父と母は、口々にそういってくれました。
こうしてこの日、私と両親は、パパとママの事故死以来ずっと抱えていたぎこ
ちなさを解消し、確かな親子の絆を結ぶことができたのです。




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