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『あるM女の告白』
【SM 官能小説】

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第1部 ご主人様との出会い -3

3.大事件の後遺症

いい子でいなければいけない、絶対悪い子になってはいけないと強く思うよう
になったのは、私が小5のときです。
もちろんそれまでも、そういう思いは十分もっていたのですが、脅迫観念になって自分の心を強く締め付けるというようなことは、ほとんどなかったのです。
小5のとき身辺に大事件が起きたのです。
その後遺症だということは、その当時からなんとなくわかっていました。
その大事件は、私の生活を一変させました。
脅迫観念的ないい子意識は、私の内面を大きく変えました。
そして、事件後1ヶ月くらいの間、私は声が出せなくなりました。
その間、イエスノ―は首の動作で、それができないときは紙に書いて、私は意思を伝えていました。
やがて声を出せるようにはなりましたが、家族や友達など親しい人との日常会話でも、「です・ます調」のていねいな言葉でしかできなくなってしまいました。
両親をはじめ周囲の人たちは、私のそのような変化に驚いて戸惑いを見せてい ましたが、10歳の子どもが必死で大事件を乗り越えようとしているのだと受けとめてくれ、けなげだとさえ思ってもらえることもときどきありました。
初オナニーにおいての私の異常にも反応は、この大事件の後遺症が背景にあったのです。
そうそう、これは後遺症といっていいのかどうかわかりませんが、奇妙なことにそれまでよく行き来し、月に2回くらいはお泊りにも行っていた離れのおばあちゃんの部屋に、どういうわけか行くことができなくなりました。
大好きなおばあちゃんに申し訳ないので、私はすごく心苦しかったのですが、おばあちゃんは事件のショックのせいだから気にしなくていいよと、いつも宥めてくれました。


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