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先生の観察日記
【学園物 官能小説】

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卒業-1

2月末――桜の木の枝には、たくさんの蕾が萌えはじめていた。


あの日、私は先生と堂々といちゃつく権利を手に入れてからというもの、それはそれは幸せな日々を送ってきた。

金曜日になると、先生の部屋に2泊しに行くという日々が続いたが親は心配するどころか、「咲希にもついにカレシができたか!」となぜか嬉しそう。それは多分、やがて30歳になろうとする兄と姉が、どちらもまだ未婚だからだろう。

先生は、もう実験をしなくった。カメラを回すこともなくなり、普通のカップルらしい、健全な性生活を送っている。…たまに、聞いたこともないような名前の体位を要求されたりもするけど、それ以外は多分通常。

橋本クンに関係を知られちゃってる以上、もうあの教官室に私が出向くことはできなくなったんだけどね。


もちろん橋本クンには、きっちりと説明して、お断りをした。

「なんだよー、じゃあ俺がお前らの背中押したようなもん?」

「…まぁ、そうなるかな?」

「マジかぁー、ま、しょうがないよな。良かったな、あの先生と付き合えて。」

「…うん。」


実は、私はまだ不安に思っていることがあった。

先生に「俺のモノになれ」とは言われたけど、付き合ってくれ、とも、好きだ、とも言われてないんだよね…私が大学に行っちゃったら離れ離れになっちゃうし。でも先生はそのことに関しても何も言ってこない。

こんなことばかり頭の中をぐるぐる回って、気がつくといつもブルーになってしまっている。

先生といるときは、一緒に過ごしているこの時間を楽しもうって、私もあえて先生にこれから先のことを聞いたりはしなかった。

それからというもの、私は先生のことをしっかり記憶に刻んでおきたくて、これまで以上に触れ合うことを求め、必死にキスマークをせがんだりした。先生は、そんな私の変な願いにも嫌な顔ひとつせず応えてくれた。それが逆に寂しさを煽ったりするんだけど…私は先生の愛撫を体全体で受け止めた。

そしてお風呂場の鏡で、自分の体を見ながら静かに泣くという日々が続いていた。


卒業まで、もうあと一週間。先生は今日まで、日に日に優しくなってきてたし、やっぱり最後の思い出にってことなんだよね…。電車で3時間じゃ、さすがに遠すぎる。

部屋の荷物も片付けないといけないのに、全然進まないな…



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